はじめに
大学生の就職活動・インターンの申し込みなどで学歴フィルターの存在があることは気づいているでしょう。しかし、企業が学歴フィルターをしていると公言すれば批判されるように、何か悪いような印象になっています。しかし、本当が学歴フィルターが存在していることを知っておくことが重要ではないでしょうか。
高校の校門の前で、登校時の生徒を目的として予備校や塾の資料を配布している姿を見ます。でも、この段階で学歴フィルターが存在しています。なぜなら、進学校ほど頻繁にビラ配りがされているのに対して、一定レベルの高校ではビラ配りはあまりありません。つまり、予備校や塾にとって入塾して欲しいと思う高校があることがわかります。これは明らかに合格実績を上げるために(進学意識が高いため入塾してくれると感じる)、ターゲットにしている高校が選ばれています。つまり、学歴フィルターがかかっていることがわかります。
また、指定校推薦入試は完全に学歴フィルター以外の何でもない存在ではないでしょか。大学側は個人を把握して推薦枠を与えるのではなく、受験者数や在学生数など色々な観点がありますが学校に対して推薦枠を与えます。その推薦枠で誰を推薦するかは高校が判断するため必ずしも優れた人物だけを推薦するわけではないでしょう。そのため、大学生の就職活動で学歴フィルターを批判する場合は、高校生の指定校推薦入試自体もなくすべきでしょう。また、高校生の就職活動でも公開求人だけでなく、一部の高校だけに送る求人票があります。この様に学歴フィルターはどこでも存在します。そのため、学歴フィルターの恩恵を受けた大学生も多い様に、決してなくならない存在ではないでしょうか?
そもそも、業務上は高卒でも大卒でも問題がない仕事でさえ、募集が大卒以上の場合や大卒と高卒で給与が異なる場合など当たり前の様に学歴フィルターが存在します。そのため、学歴フィルターを批判してもなくならない以上は学歴フィルターがあることを受け入れることが大事ではないでしょか?
「靴下屋」の公式オンラインストア〜Tabio企業側の視点で考えれば、個人を一人一人把握して適性を測りたいかもしれません。しかし、そうすると人気企業は膨大なコストがかかります。そのコストに見合うだけの価値があるでしょうか?もしかして、人を雇うのにどれくらいのお金がかかるか考えたことはないのでしょうか?一人採用するのにコストが約100万近くかかります。そのため、学歴フィルターで人数を絞ることは効率的に考えれば仕方がないのではないでしょうか?
仕事では「コミュニケーション能力」「事務作業能力」が重要になってきます。「コミュニケーション能力」に関しては学歴は関係なく、どの学歴層にも良い人もいれば悪い人もいます。ただ、「事務作業能力」に関しては学歴がある程度比例してしまいます。今の大学生の中には漢字が読めない、分数の計算ができない等の小学生程度の計算力や読解力がない学生もいます。アルファベットのdとbがわからないと言われても驚かない状態です。それは業務上で資料が作れない、マニュアルを理解しないなどの問題点になる。そのため、学歴が高い大学生から選抜して面接で人間性を測った方が効率的と言われても仕方がありません。確かに、Fランクの大学と呼ばれる大学生の中でも人間性やリーダーシップに優れた優秀な人材はいます。その人材を探す労力とコストが大変です。また、大学名は関係ないとした企業がSPIや面接などを通して内定を出した際に優秀な大学出身者ばかりだったケースもあります。
このことを考えれば、コスト面から企業が学歴フィルターを採用していること自体は仕方がないでしょう。というより、学生自身も大企業の採用試験を受けていることを考えればフィルターをかけているのではないでしょうか?中小企業などでは人手不足が顕著です。待遇面でも大企業とそれほど差がないケースも多いです。そもそも、学歴フィルターが存在するリスクを考えて大学選びをしなかったのはなぜでしょうか?もし、学びたい内容がしっかりとあり、大学4年間で学んだのであれば学歴フィルターなど影響しない気がします。
もちろん、社会に出れば学歴で仕事をするのではないことがわかります。そもそも、勉強は自分だけが頑張れば成果に結びつきます。しかし、仕事は自分だけでなく、顧客・社内との意思疎通が絶対で自分の都合で行動ができません。そのため、「学歴=優秀な社員」には必ずしも当てはまりません。ただ、学歴フィルターが存在する可能性がある以上は選択肢を広げるために学歴は意識しましょう。そもそも、勉強する気がない中学生も高校への進学が当たり前の様に、大学進学が当たり前になっている最近では学歴を意識することは大事かもしれません。また、自分のやりたい仕事が見つかれば学歴を使わなければ良いだけです。また、優秀な人材は中途採用でも待遇が良くなりますが、社会人になって仕事で成果を上げてステップアップをするより受験で頑張った方が良いと感じます。なぜなら、先程と同様に配属された部署、同僚、上司により仕事の仕方が変わります。そのため、自分の努力以外の要素も非常に大きくなります。
【神戸レタス】学歴フィルターの存在を否定するより、学歴フィルターがある以上は「何をするべきか」を中高生に考えさせる方が良いのではないでしょうか。また、大学生であっても学歴フィルターがあるから「自分の強みは何か」を考えられます。もっとも、実力主義と言われるアメリカでも学歴は日本以上に大事になるので、見て見ぬ振りより、しっかりと理解する方が良いでしょう。