学校で教科書だけでなく副教材にどの様な教材を購入させているかで、高校の学力に対する狙いや本気度がわかることがあります。それは、どの様なことか考えていきましょう。
高校1年生に高校で使用されている単語帳を聞いた際に「英単語ターゲット1900大学入試出る順」 を全員に購入させていると聞いた時に驚きました。ターゲット1900は難関私大や国公立大学に合格するためには必要な教材かもしれません。しかし、この単語帳を購入させるには相応しいと言えるかと言えば違います。
なぜなら、高校の大学進学者の平均的な学力層は産近甲龍と摂神追桃程度になります。そのため、基本的な英単語が仕上がっているわけではありません。せめて、「データベース3000」程度の内容を1冊学習してから「英単語ターゲット1900大学入試出る順」に取り組むべきでしょう。そもそも、ターゲット1900が必要となる生徒は全体の何割でしょうか?一般選抜で難関私大や国公立大学に進学する生徒数は1~2割程度しかありません。もちろん、上位層だけの学力を伸ばす方針なら理解できますが、実際には特にその様な動きは見えないことがあります。
結果として、基本単語ができないだけでなく、ターゲット1900も仕上がらないという悪循環に陥っているように感じます。せめて1年生の間はワンランク下の単語帳で基本単語を叩き込んでおけば、もっと学力は伸ばせる気がするのですが…。
この疑問点では、①有名な単語帳を使用しておけば大丈夫と考えた点、②在校生(入学生)の学力を把握したうえで適切な教材を使用していない点、この2点が気になります。実際に、単語テストがあるから単語を覚えるけど、しばらくすると忘れます。それを繰り返しているので語彙力が一向につきません。ターゲット1900を終わらせる気概があるならワンランク下の単語帳ぐらい直ぐに終わりそうですが…。
ファッション通販サイト【夢展望】教材選びと指導力
ある高校で日本史のプリントを見せてもらった際に、なんて細かい内容を学習しているのか?と感じたことがあります。ただ、生徒からすれば「何が重要で」「何が頻出度が低いか」とはわかりません。そのため、全てを均等に学習してしまいます。結果として、細かい知識がある箇所もあるけど基本的な内容がわかっていない歪な状態になります。ただ、高校2年生段階では、恐らく私が言っている意味はわからなかったかもしれません。
それから1年後に、共通テスト関連の模試や過去問、関関同立の過去問、国公立2次対策まで取り組んでいく中で授業内容を確認すると「赤字になっているけど、こんな言葉でてきたことがない」ということがわかります。正確に言えば、リード文や解答に影響がない程度に選択肢や語群にあることはあったのですが、決して効果的に学習しているとは言えません。そもそも、内容的には旧帝大や早慶などを受験するレベルの内容ですが、そもそも受験する生徒は1割にも満たない状態です。
以上のことから、生徒の学力を把握と適切な難易度の教材を選ぶという2点が現実的に難しいことがわかります。もちろん、学力上位層に合わせるのか、学力下位層に合わせるのか悩むところもありますが、方向性が何もないのは非常によくありません。逆に言えば、学力に合った教材を適切に使用すれば学力を伸ばすことは難しくないとも言えます。
もっとも、簡単なことではありません。しかし、副教材の場合は敢えて購入しているのだから「何故この教材を使用しているのか」をしっかりと考えるべきかもしれません。