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『昴』バレエを題材とした曽田正人の漫画

曽田正人らしい作品に仕上がったバレエ漫画

『昴』の基本情報

原 作曽田正人
出版社小学館
掲 載ビッグコミックスピリッツ
発刊数全11巻
他メディア映画化(2009年)

『昴』あらすじ

バレエに全てを捧げた主人公宮本すばるは太く短く生きることを宿命づけられた。才能があるが輝かしい人生を歩んでいるわけではなく、孤独で悲しい生き方をしながらもバレエに全てを捧げていく。そして、彼女に関わることで周りの人々の歯車を狂わせながら苦悩と葛藤が描かれた作品である。

  

主人公宮本すばるに魅せられる作品

幼少の頃に脳腫瘍になった双子の弟和馬のために毎日日々の出来事を踊りで表現して病気を回復するように願っていた。しかし、2年後に和馬がなくなると踊りに対する情熱と業を感じることになる。

出典:曽田正人オフィシャルウェブHP

主人公が悩み苦しむあたりは曽田正人の作品らしいが、背負った運命が重いほど宮本すばるへの苦しみが伝わってくる。

出典:曽田正人オフィシャルウェブHP

決して、いつも踊れることで幸せを感じていないが、それでも踊ることが好きな彼女が苦しみながらもダンスに向き合っていく姿は応援したくなります。

前半のメインとなるのが、新人バレリーナの登竜門であるローザンヌ国際バレエコンクールに出場する点である。異常と言えば異常であるが、全てをバレエに注いだからこそできる演技を見せる。

 

 

宮本すばるに関わった人間の運命を変えていく

宮本すばるが尋常ではない才能を発揮する中でライバルだけでなく、観客でさえも彼女のダンスに魅了されている。

出典:曽田正人オフィシャルウェブHP

宮本すばるのダンスは陽の部分と陰の部分があり、必ずしも人を幸せにするわけではないが、人の心に突き刺す踊りを続ける。

それぞれの登場人物が物語を彩り、例えば、呉羽真奈は宮本すばるの幼馴染であるが、ローザンヌ国際バレエコンクールで決勝に進出した実力を持ちながら宮本すばるとの実力の差に苛立ちを感じて苦しみながら、彼女のことを最も理解できる「ソウルメイト」であると自負するなど葛藤が描かれている。

またバレエ界の頂上にいるプリシラ・ロバーツの自由奔放さと同時にバレエに対する紳士的な向き合い方が宮本すばるの人生を大きく左右する。

物語に登場する1人1人に個性がある。一方で、この子は将来ライバルに成長すると思っていた子が、そうならなくなる様に現実世界を突き付けながら描かれている。

 

名セリフが物語を彩る

『昴』には物語を彩る名セリフが多く語られている。

出典:曽田正人オフィシャルウェブHP

ある程度成功を収めてきた宮本すばるは満足している振りを続けていたが、プリシラ・ロバーツの異常なまでのバレエに対する行動を見て、まだ自分自身がスタートラインに立っただけだと思い始める。自分はバレエしかないと思い全てを捧げてきたが、自分より長くバレエに捧げている姿に火が付いたシーン。

 

出典:曽田正人オフィシャルウェブHP

プリシラ・ロバーツが踊りで宇宙人とコンタクトがとれると考えたように、踊りの才能が全ての人に通じると思っている。もちろん、才能があるだけでなく、その才能を活かすために全てを捧げたから言える言葉であり、バレエ以外は無頓着な宮本すばるらしい考え方である。

 

 

男性作家だが美しい作画をつくりだす

曽田正人は『シャカリキ』『め君の大吾』の様に男性を主人公とする作品を書いていたため意識していなかったが、作画自体が細くもあり、太くもある絶妙なラインで描かれている。

出典:曽田正人オフィシャルウェブHP

主人公の性格は、大概はぶっとんだ性格が多いのですが描き方自体は鮮やかな描き方をしています。

出典:曽田正人オフィシャルウェブHP

初期の作品である『シャカリキ』の時は、正直登場人物のバランスが悪いなぁと感じるのですが(後半に良くなっていく)、この辺りには完成された絵が描かれています。一方で、同じように女性が主人公であった『change!』が早い段階で最終回迎えたのは残念です。

 

2009年に映画化『昴-スバル-』

日本・中国・シンガポール・韓国の4ヶ国合作により、黒木メイサを主役として2009年に映画が公開されている。

宮本すばるの表現を現実で描くのは難しいが、漫画と映画と見比べて観るのも良いのではないか。

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