中学生や高校生は大学進学に関して甘く考えすぎている点があります。もちろん、相応の努力をすれば志望校に合格することはできますが、甘く考えすぎて受験に失敗する例も多くあります。今回は大学受験が甘くない現実を知りましょう。
まず、学力層の幅がある中学の教室を思い出してください。そこから、実際に高校卒業後の進路がどうなっていくかを考えます。42名の教室を想定しています。
まず、あなたの中学時代はクラスの中でどれくらいの位置だったでしょうか?中学時代に平均の少し上ぐらいにいたから大丈夫と考えている場合に、それは大丈夫ではない理由を説明していきます。
まず、大学への進学率は50%を超えていますが、高校進学後に退学(転学)もあるので、約50%の21名が大学進学をすることにしましょう。残りの21名は短大・専門学校・就職・進路未決定で高校を卒業します。もちろん、美容師になりたいなら大学へ進学する必要もありません。そのため、公立高校のトップレベルでも専門学校に進学するケースはありますが、全体的な傾向としては学力が高い高校の方が大学への進学率は高くなります。
この段階で、約半分が大学へ進学することになるなら、決して他人事になってはいけないでしょう。正直、学力が低い状態でも進学することはできます。
次に、大学進学時の入試区分ですが、一般選抜と推薦入試が半々程度になっています。それを考えると、10名が推薦入試で進学を決めて、残りの11名が一般選抜で進学を目指すことになります。
ここで、恐ろしい真実ですがクラス42名中の31名は学力試験がない状態で高校卒業後の進路を決めてしまいます。そのため、冬になると受験に関連したCMが流れますが、大学受験では既に少数派になっていることがわかります。ある意味で、多くの子ども達は高校受験がピークになっているともいえます。そう考えると、何となく高校を選んでよいのだろうか?
さらに考えていくと、偏差値50は平均値になりますが、偏差値50の大学は有名大学ではありません。もちろん、「偏差値が高い大学=良い大学」ではありませんが、この学力の生徒が進学する大学で何が学べるの?と思うことがあるように、少数の四則計算や助動詞を知らなくても大学生になれる現状があります。それを考えると、クラスで9名程度が難関大学に進学できると考えられるでしょう。
しかし、近畿大学でさえ偏差値54~60程度になっていることを考えれば、関関同立レベル以上の大学へ進学できるのは更に半分程度の4~5名程度になります。そこから難関国公立大学になれば0~1名程度になりでしょう。
ここで重くのしかかる現実が、中学時代にクラス5位の生徒であれば優秀な学生として褒められていただけでなく、本人も勉強が得意と感じていたかもしれません。しかし、現実には関関同立に入るのがやっとの場合があります。もちろん、指定校推薦入試で進学する場合もあるので、もっと数は増える可能性もありますが…。
ただ、国公立大学はしっかりと計画通りに受験勉強をする必要がありますが、関関同立であれば偏差値40程度でも合格を狙えます。しかし、高校生が受験勉強に本気で取り組むことが難しいことがわかります。そうすると、中学時代にしっかりと勉強しておくこと、高校で短時時間でも受験勉強を早い段階で開始しておくことが重要だとわかります。
偏差値が高い大学に進学することが全ての学生にとって正解ではありません。ただ、やはり多くの高校生や保護者にとって大学進学を希望しているなら難関大学へ進学したいと思う方が多いのではないでしょうか。そのためにも、現実は厳しいことを知りながらも、厳しいから価値があると考えて早めに対策しましょう。