作 者 | さだやす圭 |
出版社 | 小学館 |
掲 載 | ビッグコミック(2013~2019年) |
発刊数 | 全19巻 |
H P | https://bigcomicbros.net/work/6150/ |
![]() | フォーシーム(1) (ビッグ コミックス) [ さだやす 圭 ] 価格:607円 |
日本プロ野球界でキングと呼ばれた逢坂猛史(36歳)はクライマックシリーズでの采配を巡りマウンド上で監督の首を吊り上げて大暴れしてしまう。そのため、半強制的に引退することになるが、強引にメジャーに挑戦する。崖っぷちの野球人生をどう乗り越えていくのか?
主人公の逢坂猛史(36歳)は年齢からわかるようにベテラン投手であり、短期で口が悪く俺様人間である。そのため、度々我儘なシーンや怒っているシーンが登場するが、主人公の自由奔放さに次第に気に入ってしまう主人公である。
性格が我儘にかかわらず、主人公が魅力的に映るのは野球に対しては誰よりも真摯に取り組んでいる点である。36歳のベテランにも関わらず、誰よりも早く球場に行って練習を始めたり(走り込み)、試合に勝つためには自分の体に鞭を打って登板している。そのため、チームメイトに良い影響を与えることもあるが、我儘さから悪い影響を与えることもあり物語を面白くする。
また、契約内容が普通では考えられない契約を結んでいる。年棒は1ドルから始まり、セーブに成功すれば倍に増える(2ドル)、そして更に成功すれば4ドル→8ドル→16ドルと倍々ゲームで増えていく。一方で、1回でも失敗すれば1ドルに戻るというあり得ない話である。そのため、GMやオーナーと対立することもあるが、崖っぷちの戦いを見ることができる。
チームメイトの中でも逢坂猛史を認める一方で拒絶するチームメイトもいる。その中で、野球の実力で活躍するが癖が強いチームメイトも多い。ジェフ・ケンプは白人優越主義者でありチームメイトの輪を乱す場面もあるなど、プレイスタイルだけでなく、思想的な麺でも多くの背景を含んだ作品である。
そして、一番の面白さは野球の駆け引きを見せてくれる点である。リリーフとして逢坂猛史は登場するため1人1人に真剣に勝負していく。A・ハーバーとの対決では投手と打者の駆け引きが見ることができる。緻密に計算された投球術は実際の野球を見る時も楽しめる知識を身につけることができる。
主人公の年齢からもわかるように、青春的な野球漫画ではなく恋愛要素がない。その分だけ男臭い作品ではあるが野球の醍醐味を教えてくれる作品である。
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