大学入試でも推薦入試の枠が拡大していることで小論文により大学進学を決める機会は増えてきている。その一方で、小論文をしっかりと指導された経験が少ない高校生も多い。そのため、小論文の基礎から実践までを解説していきます。
小論文と感想文は似ている様ですが大きく異なります。そのため、それが混ざらない様に整理してみましょう。
まず、大学入試で求められるのは小論文が圧倒的に多い。最近は、国公立大学でも推薦入試が拡大したこともあり小論文の指導に力を入れている学校も増えてきたが、高校生の多くは本格的に小論文を学習していないことが多い。そのため、ある程度は、ルールに沿った文章を書ければ点数は採れます。また、小論文だから国語の先生が適任に思えますが、文章の誤りは指摘されますが内容の点では弱くなる場合もあります。それは、テーマが幅広いこともあるからです。
では、まず小論文の特徴としては自らの文章で「問い」をつくり自分の意見を述べて「答え」をつくる必要があります。自分で「問い」をつくるから「答え」はできあがっているはずですが、高校生に文章を書かせると「答え」が迷走する場合があります。そのため、「問い」と「答え」が一致させる必要はあります。例えば、「小学校で英語の授業は必修にすべきだったか」に対して「必要ない」と答えましょう。よくある間違いは「〇〇のメリットもあるけど△△の不安もあるだろう」と、結局はどちらの立場かわからずに終わる場合があります。自論が不安でも言い切るようにしましょう。
2つ目に、小論文では客観的な根拠に基づいて文章を書く必要があります。感想文が主観的な立場で書いていくので、極論を言えば「どう感じたか」は人それぞれなので誤りもなければ、正解もありません。たとえ、「困っている人でも助けなくて良いと感じました」と書かれても、心の中では将来が不安になりますが、感想文ではどう感じたかを強制するのは間違っているでしょう(*ただ、教育的に始動されるかもしれませんが)。一方で、小論文は客観的な根拠が必要なので、「先日、海外のニュースを見た際に倒れた人を助けにいったが、助けた人から突き飛ばされたと主張され警察に捕まった人がいると聞いた。それを聞いて、困っているからといって人を助けるのは危険だと知った。」とすると、同じ内容ですが、そう思う根拠が少なくとも書かれています。この様に、小論文では客観的な事実や根拠を示して書いていかなければなりません。
東進ハイスクール・東進衛星予備校3つ目は、小論文は序論‐本論‐結論の順番に書くようにしてください。まずは基本的な書き方を覚えることが先なので文学的な独特な表現方法は避けましょう。序論で「問い」を書き、本論で根拠を示して答えに持っていく、そして結論でまとめになります。この書き方をしていれば減点されることはないでの、この流れでしっかりと書けるようにしましょう。
4つ目は、「だ・である」体で文章を書くことが大事です。小論文は自分の意見を述べていくこともあり、曖昧な言葉は弱さになります。例えば、「里山は維持した方が良いと思います。」より「里山は維持すべきだ。」と言い切った方が強い表現になります。特に「~の方が」など曖昧な立場で文章を書かない様にしましょう。そのため、相手に強く訴えるなら「だ・である」体の方が強い表現になります。例えば、「あなたのことが好きだと思います」<「あなたのことが好きです」<「あなたのことが好きだ」と同じ内容でも強さが変わってきます。
感想文は主観的な感想であるため、相手に感じたことを伝えることがメインになります。しかし、小論文は相手を説得するために客観的な根拠を示して文章を書いていきます。ただ、実際に採点する場合は、どこまでが客観的な根拠になるか判断することが難しい。もちろん、採点基準として客観的な資料に基づいて採点はしますが、ある程度は大枠で採点される場合もあります。そのため、まずは減点されない小論文を書くことが最初の課題になります。