公 開 | 2020年 |
監 督 | レジス・ロワンサル |
時 間 | 105分 |
出 演 | ランベール・ウィルソン オルガ・キュリレンコ |
配 給 | Mars Films(仏) ギャガ(日) |
興行収入 | $2,023,543(仏) |
H P | https://gaga.ne.jp/9honyakuka/ |
フランスのある村の洋館に9ヵ国の翻訳家が集められた。全世界で人気なミステリー小説『デダリュス』完結編の翻訳本を世界同時に発売するためである。流出を恐れた出版社は9人を隔離生活させて翻訳をさせる。外出だけでなくスマホ禁止された空間で、毎日20ページづつ渡されて翻訳をしていた。しかし、出版社の社長宛に「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。隔離した空間で一体誰が情報を流しているのか。
隔離(軟禁)された状態で1日20ページづつ翻訳をしていかなくてはいけない設定が独特で面白いが、ダン・ブラウン原作の小説『ロバート・ラングドン』シリーズの4作目『インフェルノ』出版の際、海賊行為と違法流出を恐れた出版元が著者ブラウンの同意のもと、各国の翻訳家を地下室に隔離して翻訳を行なったとの実話をもとにしているため、それを知っていればリアリティがでてくる環境である。
9人の翻訳家のため、文化が違う中で1つの空間で翻訳に取り組むだけで異様な世界であるが、本の内容を公開するという変わった人質(?)のとりかたで金銭を要求する辺りが面白い。実際、一体誰が情報を流したのかがわからない状態のため出版社の社長が焦っている姿に納得がいく。迫真の演技で物語が進むので、どんどん画面を集中してしまう作品である。
実際に予告編を見てもらえれば、原作が誰かの手によって流出していることがわかる。一体、犯人はどのような手段を使って、何の目的で原作の情報を流出させたのだろうか。物語が目まぐるしく展開していきます。誰が犯人か想像するのも楽しいですが、1人1人の心理描写がうまく描かれています。ヨーロッパの映画らしい作品と言えます。
作品としてはフランスではそれなりに話題になったのですが、日本ではあまり話題になった感はありませんでした。ただ、映画館で魅力ある作品がなかったので消去法で選んだ割に内容は良かったです。派手な作品が好きな人は面白くないかもしれませんが、ミステリーなど謎解き要素が好きな人なら楽しい作品になります。
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