原作・原案 | 蛇蔵(ネタ、プロット)鈴木ツタ(ネーム) |
作 画 | たら子 |
出版社 | 講談社 |
掲 載 | 月刊モーニングtwo(2017年~) |
発刊数 | 続刊中 |
アニメ化 | 2021年(AT-X) |
TVアニメHP | https://tendebu.jp/ |
天地を創造した神は天地や水を造った時点で面倒になって、生き物を造るのは“下請け”に任せた。その下請けなのが天地創造社でありデザイナーたちは生き物のデザインを行い、エンジニアが実際に作り上げ、紙が採用するかどうかを決める。現実社会のデザイン会社のようにクライアント(神)の要望を満たすため必死に働いている。基本的に1話完結で物語が進んでいく。
本書の最大の魅力は色々な動物たちの生態を学べることである。物語設定の着眼点が面白く、動物をつくるデザイン会社という考え方は斬新であった。場面によっては、会話やキャラがごちゃつく所もあるがそれも魅力の一つである。進化の過程から動物を考えるのではなく、クライアント(神)のリクエストを満たすためにデザインするあたりが面白い。
もちろん、没になる動物たちが多くいる中で最終的に皆が知っている動物に落ち着くことが多い。そこには、デザインが良いか悪いかだけでなく、重さに耐えられない、暑さに耐えられないなど現実的な進化に通じる考え方も含まれている。そのため、単純な空想としての物語ではなく、なぜその形になっているかなどを理解させてくれる作品である。そして、メインではないのに何となくデザインが採用されたマイナー動物など細かいネタが沢山あり飽きさせません。
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数年前から流行して数冊発刊されている『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』を見たことないだろうか。
1ページごとに動物の面白い意外な生態が書かれています。そのため、動物に興味を持つのには丁度よい本でしたが、同じように『天地創造デザイン部』でも動物の意外な素顔が描かれています。描き方の視点が違うだけで動物の面白い生態を知ることが出来ます。
登場人物のキャラクターより、動物たちのキャラクターの濃さが上回った面白い作品です。動物好きはもちろん、色々な雑学を増やしたい人も楽しく読めます。
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