作 者 | 高松美咲 |
出版社 | 講談社 |
掲 載 | 月刊アフタヌーン(2018年~) |
発刊数 | 続刊中 |
石川県出身(過疎地)の岩倉美津未は高校進学を機に上京して進学校に通うことになる。「私はこの高校生活、ただの一度だって失敗しない!」と鼻息が荒い。根拠は「なぜなら私には明確な人生設計があるから!」と思っていた入学式当日に電車を間違えて道に迷ってしまう。早くも人生設計が狂い始めた岩倉美津未に同じ高校の志摩聡介と出会う。天然な女子高生である岩倉美津未を中心に高校生活を描いた作品。
岩倉美津未は過疎地で中学まで育っていただけあって、同世代とのコミュニケーションが不足しているからこそ天然さが際立って魅力がある。入学式中に担任にむかって吐いてしまうなど「吐いた人」のあだ名を当初は貰いながらも意外に人間関係を広げるのに成功している。
周りの友達のバランスも良くチャラい人間を苦手とする根暗キャラの様な久留米誠、綺麗な顔立ちで周りからも目立つ村重結月、そして流行に敏感で空気を読んでしまう江頭ミカなど個性的な女子グループが出来上がっている点が面白い。そこにイケメンの志摩聡介が関わってくるため少し変わった日常の高校生活が描かれている。
入学式当日に遅刻しそうになったために裸足で走って学校に向かう高校生がいますか?そこが岩倉美津未の良さではないでしょうか。単純な田舎出身の子というより彼女自身が天然な子なのでしょう。そのため、過疎地では周りが気にしなかったことも都会では大きく環境が変化しています。その中で、高校生活を変わらずエンジョイしているあたりが見ていて面白い作品です。
次のクラスでの自己紹介だけで目がギンギンになるぐらいリハーサルするなど天然さが激しい。そして、クラスメイトの前で「自分は人の上に立つ存在」と意味不明な言葉を発する当たりが笑えます。天然な可愛さが爆発しています。
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岩倉美津未が天然さもあり、周囲の予想より斜めの行動をします。ファションセンスも好きなものを重ねて着る癖があるため、絶妙にセンスが悪いのが良い。同じ、女子グループ内では受け入れられているけど空気を読んでしまう江頭ミカだけはズレに気づくことも多い。ただ、4巻に登場するコアリクイのポーズは中々絶妙な感じである。高校生というより小学生かって突っ込みたくもなる。
志摩聡介との仲の良さも面白いが、淡い淡い恋愛感情が中心であり、恋なのか友情なのかわからないほど絶妙な距離感で描く。友達以上恋人未満の関係だからこそ作品の面白さがある。それでも、個人的には久留米誠が素を出していく姿は面白い。文化祭で中学の同級生を皆に紹介した際に村重結月に気を使ったように何気ない可愛らしい姿を見せてくれる。
全般的にほのぼのした女子高校生の漫画であるが、心が和む作品である。
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