公 開 | 2020年 |
監 督 | 英勉 |
原 作 | 前田建設工業株式会社『前田建設ファンタジー営業部1 「マジンガーZ」地下格納庫編』 永井豪『マジンガーZ』 |
時 間 | 115分 |
出 演 | 高杉真宙 上地雄輔 岸井ゆきの 本多力 町田啓太 小木博 |
音 楽 | 氣志團「今日から俺たちは!!」 |
配 給 | バンダイナムコアーツ 東京テアトル |
興行収入 | 5000万円 |
前田建設工業株式会社が、「アニメやゲームに登場する建造物を実際に作ったらどうなるか?」を本格的に検証する内容を映画化した作品。2003年に広報グループ長の浅川はマジンガーZ』の出撃シーンに登場する地下格納庫を現状の技術と材料で建設したらどうかと、資材・設計・予算・納期まで考えてウェブ公開を提案する若手社員らの土井・別所・不破・江本らは最初は嫌々ながら次第に周囲の熱意のもとで架空のものをつくりあげることに真剣になっていった。
アニメで登場したものを現実社会で建設すると、どうすれば良いのかを真剣に考える当たりは普通に考えれば遊び過ぎだと思うかもしれない。しかし、前田建設工業株式会社が実際に検証を行い、その後もつくり続けている実話を基にした内容である。そのため、マジンガーZの格納庫という誰に響くんだという内容がテーマになっているのは建設会社ならではの話である。
作中では、マジンガーZに惹かれた社員たちが徐々に熱い気持ちで動いていくのだが、そのお馬鹿すぎる熱意が本作を面白くしてくれる。アニメの内容を通して色々な建築関連分野の技術者たちが、それぞれの熱い思いで最初は乗り気でなかったメンバーが次第に熱い思いで取り組んでいくあたりは軽快で楽しめる作品である。
軽快なノリなので、マジンガーZを知らなくても映画を観ていれば何となくわかってしまう。アニメの内容を実際につくることを想像して見積もりをだそうなど面白い内容である。もちろん、簡単な話ではないが、それが大白い内容である。
映画を観て思った感想は、想像していた以上に物語がしっかりしていた点である。そのため、終始軽快なテンポであった。もちろん、熱くマジンガーZを語っている点は、同じ社内にいたら面倒だと感じてしまうが…。
本作では、浅川役の小木博明が、そのままの演じ方であっても、あのうざい感じの存在が丁度役にはまっている。言葉で周りを振り回していくあたりなど演じていないが素で十分適役と言える。また、江本役の岸井ゆきのがロボットアニメに疎く(マジンガーZとガンダムの違いもわかっていない)、嫌々ながら取り組んでいる姿が非常に面白く見える。今作では、無駄に熱い男たちが数人いるが違和感のない役柄が多い。
実際に話題にはあまり上がらなかったが、隠れた名作に感じる。少年のような大人を見られる物語である。
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