公 開 | 2018年 |
監 督 | 塚原あゆ子 |
原 作 | 川口俊和 『コーヒーが冷めないうちに』 『この嘘がばれないうちに』 |
時 間 | 116分 |
出 演 | 有村架純 伊藤健太郎 波瑠 林遣都 深水元基 松本若菜 薬師丸ひろ子 |
主題歌 | YUKI「トロイメライ」 |
配 給 | 東宝 |
興行収入 | 15.0億円 |
時田数(有村架純)が働く喫茶店「フニクリフニクラ」には、ある席に座ると過去でも未来でも自分が望む時間に戻れる席がある。ただし、過去に戻れるのはコーヒーをカップに注いで冷めてしまう間だけである。ただ、その僅かな時間でさえ過去に戻りたい人が喫茶店を訪れる。
『コーヒーが冷めないうちに』は過去に戻ることができる喫茶店を舞台にした物語である。それに関連した4つのエピソードが詰められた作品である。
原作があることを知らなかったので、純粋な映画作品として観た感想になるが、コーヒーをカップに注いで冷めてしまう間だけ自分の望む時代に行くことができるという突拍子もない設定である。ただ、突拍子のない設定は映画ならではなので問題はない。
主に4つのストーリーで構成された映画であり、原作の「恋人」 結婚を考えていた彼氏と別れた女の話・「夫婦」 記憶が消えていく男と看護師の話・家出した姉とよく食べる妹の話・この喫茶店で働く妊婦の話の4つの物語で構成されている。
~4回泣けます~というフレーズであるが、実際には4回もなく箇所は無かった…。「夫婦」 記憶が消えていく男と看護師の話は良い話だなぁと思えた点もあり、面白くないのではなく泣けるは言い過ぎに思える。正直、4つの登場人物が最後に何か色々なことに関与しているのかと思ったけど、単純に4つの喫茶店を舞台にした物語だと考えてお良い。
結果として、映画作品としては面白い作品である。過去に少しでも戻りたいと言う気持ちは痛いほどわかる。喫茶店しか戻れないから一部の人間しか意味ないだろう。ただ、有村架純が主人公であるが、個々に物語の主人公がいる形であるため主演の影は薄いかもしれない。
コーヒーをカップに注いで冷めてしまう間だけ自分の望む時代に行くという面白い設定であるが、折角の設定を活かしきれていない気もした。個々の物語は面白いのに、急に時田数(有村架純)の恋愛モードに入るが、あまりにも違和感がある入り方なので正直興醒めになった感はある。子どもができたシーンも何か物語の関係上、無理やり感は感じた。
2つ目、3つ目のエピソードが良かった分だけ、最後の物語の展開はそれで良いの?と思ってしまった。折角、面白い設定している以上は最後も面白い設定を活かした方法をして欲しかった。ちょっと泣かせようとくどい演出になってしまっている気はする。途中良かった分だけ勿体ない。実際に原作はどんな風になっているかは気になる点ではある。
1つ1つのエピソードは良いので、映画としては面白い作品である。恋愛のくだりで冷めてしまったために最後が感情移入できなかった点はあったが…。ただ、特に2つ目のエピソードは色々と考えさせてくれる内容であり、心温まる内容であった。
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