公 開 | 2013年 |
監 督 | 李闘士男 |
原 作 | 田中大祐、タニタ |
時 間 | 100分 |
出 演 | 優香 浜野謙太 草刈正雄 |
主題歌 | 矢野顕子「さあ、召し上がれ」 |
配 給 | 角川映画 |
興行収入 | ― |
健康機器メーカーの株式会社タニタの社長・谷田卯之助(草刈正雄)は世界初の体脂肪計を開発したものの評判は良くなかった。そのため、 2代目副社長・幸之助(浜野謙太)は新商品発表会で太りぎみな社員をダイエットさせて発表するプランを考える。友人であり栄養士の菜々子(優香)を迎えダイエット計画を進める。
設定テーマなどを見た際に、面白い内容に感じた。実在する企業であるタニタを使うことで物語の深みも出る可能性も感じた。ただ、肥満社員のダイエットを題材にしていることからコメディになるかな?と期待したのだが、実際はコメディになりきれていない作品となっている。正直、設定がもったいなく感じた。
明るい作品を期待・栄養士vs肥満社員・ダイエットの大変さなど色々なものを期待しており、コメディ映画で笑えると思えたが意外に笑える点が少なかったのが残念で会った(失笑は多かった)。実在の企業をベースにしているから、『前田建設ファンタジー営業部』の様な軽快なストーリー展開を期待したのだが、結果は期待外れであった。
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レビューなどにも書かれているが、ダイエットを企画したストーリーでありながら肥満社員たちが実際に痩せたかどうかがわからない(*見た目の差を感じない)という致命的な結果になっている。ただ、私自身が不満に思えたのは肥満社員(副社長)の態度と展開の軽さであった。
元々、コメディ映画を予想していたので、肥満社員も明るい社員たちが描かれていると思ったのですが、どちらかと言えば暗い感じの肥満社員(ダメ社員の様な感じ)であった。それに輪をかけて 2代目副社長幸之助のダメさが際立っていた。もちろん、浜野謙太の演じ方が良かったために良くも悪くも感情移入してイライラさせられるのだが…。明らかな親の七光りで副社長にいながら壁にぶつかると簡単に逃げる癖があるなど問題行動が多い。この副社長の下で働く社員が可哀想に感じた。
ここで問題になるのは、そういった肥満社員達と向き合って栄養士の菜々子が会社を改革するなら物語として面白くなったのだが、こちらも内容は薄すぎてしまう。そのため、コメディ映画にも普通の物語にも成りきれなかったのが残念である。
「大幅減量」ダイエットTV番組でエルセーヌがサポート就職活動に失敗していた菜々子がタニタ食堂の栄養士を任された際にやる気を出し始めたのは謎である。ただ、この物語の全般が根拠が少ない中で簡単に切り替えていく点である。
普通に考えれば、菜々子と幸之助が揉めた際に簡単にもとに戻るのだろうか?さんざんダメな副社長を演じた幸之助を直ぐに受け入れる管理職たちは何?肥満社員たちのダイエット企画に対して熱心であったの?など、なぜそんなに簡単に物語が好転するのか疑問であった。特に幸之助の発した言葉は最低だと思うのだが…。
もともとレシピ本から映画化にした作品なら食事を中心に描いていけば良かったのだが、最後にたたみかける様に料理が出されていた感がある。そのため方向性が定かでなかった点が残念に感じた。ただ、ダイエットを経験したことがある人なら頷ける点もあったので、もっと「ダイエットのあるある」など入れることで面白くなった作品ではないだろうか。
もっともコメディ映画と期待してしまった点が失敗で、物語全般とすればドラマなどにある展開であるだろう。
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