高校生が卒業後の進路として専門学校を選択するケースがあります。保護者の中には専門学校に進学するより大学に進学して欲しいと願う場合がありように、専門学校は本当に進学するメリットがあるかどうかわからない場合があります。そのため、専門学校に進学する意味があるかを考えてみましょう。
専門学校は職業に関する専門的な技術を磨くための学校になっています。言い換えれば、一部の分野を除けば学生は平均約230万円程度の授業料などを支払って2年間の企業研修を受けていることになります。もちろん、最大のメリットとすれば希望する業種や会社に入れる可能性がある点です。
以前、短大から美容系に就職して百貨店で化粧品販売をしている卒業生に「専門学校に行かなくても仕事できる」と言われたことがあります。もちろん、彼女の言っていることは正しくて、高卒求人の中にもメジャー企業の化粧品の販売などもあり働いている子もいます。しかし、専門学校を卒業した方が選べる選択肢が多いということです。特に、このブランドの企業に就職したいと考えている場合は希望通りの求人がある可能性が欲しいでしょう。そのため、企業からすれば2年間の企業研修をしてもらえるため低コストで採用しやすいことが求人数が多い理由かもしれません。
一方で、職業訓練としての価値がない専門学校が存在するのも事実です。もちろん、技術は身につけるし、資格も取得できるのですが、社会人としての基礎ができていない場合があります。以下の表は、ある時に生徒を連れて同じ系統の専門学校を2ヵ所回った時の感じ方です。
技術的な面はわからないので、印象として専門学校Aの方が職業訓練をしている印象を受けます。一方で、専門学校Bに関しては自分たちが空気に感じました(*生徒も引率しているのだけど)。ただ、学生自身の視点では専門学校Bの方が楽しそうと感じるのではないでしょうか。実際に、専門学校に進学した卒業生が、職員室に入室する際などにしっかり挨拶させられる。挨拶が出来なければやり直しさせられる。面白くない学校だと愚痴を言っていた記憶があります。
そのため、昔であればイヤホンをしたまま専門学校に入れば入れなかったのも昔であって、最近は学生に迎合した専門学校も増えており、職業訓練でなくなったい学校もあります。ただ、それでも企業は技術を持った学生を雇いたいため求人票は一定数はあるでしょう(*ただ、学校で学んだ技術も立派だが、実践で学んでいる人の方が技術がある場合は多い)
なるには進学サイト専門学校には高校卒業後から入学する生徒も多いですが、社会人経験を経て入学するなど特定の分野の技術を学びたい学生が多く通います。そのため、単なる技術を学ぶだけではなく、コミュニティーを広げる意味でも意味がある場所です。
それにも関わらず、専門学校を否定的に考えてしまう理由の1つに選考方法の違和感があります。多くの教員も感じていることですが、専門学校なら勉強する必要がない点です(*看護など一部は除く)。そのため、願書を出せばいつでも合格できると考えてしまいます。ただ、実際には少し異なります。
専門学校の場合は体験授業などに参加後にエントリーをすれば出願可否通知(合格内定通知)が来るので、出願期間に出願すれば合格です。そして、指定校推薦入試よりAO入試の方が授業料の免除などの特典が大きく、早めに囲い込む印象があります。そのため、青田買いしている印象は否定できません。
ただ、専門学校に不信感を持った出来事は出願可否通知(合格内定)を得た生徒が出願期間に出願しようと思っても出願できなかったことがありました。担任から相談があり、担当者に説明を求めたところ、出願者が多いために設備的に限界との理由でした。そのため、次の入試では郵送のみなので申し込んでもらえればと言われたので、「郵送としても予定より志願者が多ければどうするのですか」と質問した解答は「その場合は先着順になる」と言われた点です。もちろん、郵便局からまとめて届くのに、どうやって先着順になるのかと聞いても満足する解答は得れませんでした。この様に、人気があるから合格内定を出していても出願期間中に締め切る学校が他にもあったことから専門学校の選考方法への不満は高まります。
なぜなら、6月~7月に(実質の場合もある)合格内定を出して安心させておいて、8~9月に出願者が多すぎるために締め切られた場合に、生徒は次の学校を探さなくてはいけないという悲惨なことをしてきます。そのため、専門学校も早くに出願と煽り、生徒も急いで進路を決める悪循環になっています。
結果として、専門的な技術や社会人の基礎力を学べる専門学校は良い点があり、厳しい印象の専門学校の方が薦めやすい。一方で、趣味のために授業料を支払わせているのでは?と思える学校もあるので、卒業後の進路はしっかりと見ておく必要はある。ただ、選考方法だけはもう少し改善して欲しい所である。