学歴で人間の優劣を決めるのはナンセンスなのは間違いありません。また、学歴が高ければ仕事ができると言うのも幻想になります。だからと言って、形骸化した大学入試の中で「どの大学に進学するか」という考えは根強くあります。それが学歴社会をさらに促進する可能性を考えましょう。
学歴を否定したがる人たち
学歴に対して否定的に考えている人がいます。もちろん、学歴だけで人間性の優劣は決まるわけがありませんが、仕事面ではどうでしょうか?よく勉強ばかりする人はコミュニケーションづくりが下手だと言いますが、それこそ幻想ではないでしょうか?例えば、礼儀や人間力を養うために部活動をすべきと言っていても、実際には部活動に取り組んでいてもコミュニケーション能力のない人はいますし、礼儀など一部の人間に対して礼儀正しいだけの場合もあります。実際に、顧問に対してはマナーが良いにも関わらずに、他の先生に対しては平気でため口を話しているケースを見ます。これは、社会に入った際に上司に対してゴマをするが、後輩に対しては偉そうにする可能性があります。でも、これにしても幻想であって、学歴がある場合に何が違ってくるかをしっかりと考えなくてはいけません。
まず、ビジネス面で言えば「コミュニケーション能力」「事務作業能力」「持続力」の3点が必要になるのではないでしょうか?「コミュニケーション能力」では外部に対してだけでなく、会社内でも円滑に人間関係を進めるうえで必要なスキルになります。ただ、これは学歴の有無に関係なく、どの様な生活を過ごしていたかに影響します。そのため、「コミュニケーション能力」だけを求める仕事であれば確かに学歴は必要ないかもしれません。また、技術職であれば経験が重視になることから学歴だけでは対応できないでしょう。しかし、現在は第3次産業で働いている人が多いために「事務作業能力」の必要性は否定できません。
では、学歴によって大きく差が出るのは「事務作業能力」になります。この点をしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
取扱いタイトル数、日本最大級。「ゲオ宅配レンタル」仕事の基本はルーティンワーク
学生などはクリエイティブな仕事や刺激ある仕事があると考えるかもしれませんが、仕事の基本はルーティーンワークになります。たとえ、営業であっても色々な新規顧客と出会うかもしれませんが、やはり根本的に同じことの繰り返しです。あるいは、大規模なイベント企画など初めての仕事に感じますが、これまでの経験を基本としてつくりあげているケースが多いです。そのため、日々のルーティンワークの中で経験を積んでいくことで発想力が生まれ実行力を身に着けていきます。
では、ルーティンワークを身につけるためにも特に必要となるのが「事務作業能力」になります。確かに、昔であれば飛び込み営業百件という気合と根性だけで働かされたケースもあるでしょうが、最近では流行ではありません。むしろ、後輩や部下の指導などでマネジメントも身に着けていかなくてはいけない時代ですから「考える力」は非常に大事になります。
そのために必要となるのは基礎学力になります。事務作業能力は単純に同じことを繰り返す能力ではありません。その様な仕事はAIなどに取って代わられるでしょう。むしろ、資料の作成、契約書の理解、コンプライアンスの理解、ビジネス方法など色々考える力が求められます。では、文章の理解度、文章作成、社内や社外での傾聴などを行いためには何が求められるかと言えば、やはり学力ではないでしょうか?ただ、ここで言う学力は受験に必要な知識というより、受験勉強を通して身につけた思考力・実行力といえるでしょう。
オリジナルコンテンツ数No1!【ABEMAプレミアム】大学入試は一部の大学を除いて形骸化が進んでいます。推薦入試の増加などで、たとえ学力が低くても大学を選ばなければ進学できる状態になっています。実際に、小学生程度の学力と判断され手帳を保有している高校生であっても大学には進学して卒業しています。もちろん、一般選抜入試などでは合格はできないでしょうが、推薦入試を利用すれば合格することは難しくありません。
そのため、昔であれば大学に進学すること自体が学力があると考えていたのでしょうが、最近は大学に進学しても学力があるとは考えられません。実際に、高校生の50%以上が大学進学をしていることから考えても、進学すること自体に価値を求められないでしょう。では、何に価値を求めるかと言えば学歴ではないでしょか?もちろん、難関私立大学であっても推薦入試で半分ぐらい合格しています。また、地方国公立大学であれば入試の難易度がかなり下がっている事実もあります。しかし、やはり一定の努力を必要とする大学にはそれなりの評価がつきます。
例えば、高校で考えればわかりやすいかもしれませんが、地元でトップクラスの高校であっても全国的には無名です。そのため、他の都道府県出身者であればトップ校であっても教育困難校であっても差を感じません。しかし、高校であっても開成高校や灘高校など全国区の高校はあります。つまり、一部の学校とその他大勢の学校として区別される可能性があります。それを大学に置き換えると、MARCHであっても関関同立であっても南山大学や西南学院大学であっても他の地域の人からすれば正確に学力を把握できません。ただ、それでも聞いたことがあると思ってくれるかもしれません。しかし、それを下回ると…地元では有力であっても全国では知られていないことになります。
結果として、大学入試が形骸化したことで入試の難易度を落として推薦入試を重視すると、学歴に対する意識は昔より強くなるかもしれません。そもそも、学歴格差を否定するのではなく、しっかりと中身を教えるべきでしょう。少なくとも、受験勉強を必死に頑張った高校生と何もしなかった高校生が同じ評価になるはずがありません。