ベネッセ駿台模試は、夏までの駿台模試(外部受験可能)と進研模試(校内受験のみ)が合併した模試になります。受験数が増えることで、より正確な統計が出るのでしょが、この9月のベネ駿に受験する意味がある生徒と意味がない生徒がいます。それを考えてみましょう。
まず、模試を何のために受験するかを考えてください。そうすると、学力の測定、志望校までの到達度、外部受験慣れ、これらの意味があります。ただ、以前のセンター試験であれば私立大学にも通じる問題が多かったこともあり、学力の測定や志望校到達までの距離を測るのに良かったかもしれません。しかし、共通テストに代わってから明らかに私立大学と共通テストでは出題傾向が違います。そのため、私立大学志望者が学力の測定や志望校までの到達度合を測ることを目的に受験しても効果は小さいです。特に、推薦入試を本命に考えているなら時間の浪費になるかもしれません。もちろん、外部受験に慣れたいや模試がないと勉強の励みにならないと考えるなら意味があるでしょう。
また、国公立大学希望者であっても勉強をしっかりと取り組んでいない受験生は受験するのは時間の無駄かもしれません。なぜなら、1学期実施の模試と比べて受験している受験生が本気組しか残らなくなるからです。そのため、単に勉強したつもり程度では、この辺りから偏差値が伸びない、判定が悪く案る場合があります。特に、国公立大学希望者であれば丸1日模試を受けることになります。そして、見直しまで考えれば何日間の勉強時間が吹っ飛ぶ計算になります。それより、その時間を勉強に充てる方が有効ではないでしょうか?勉強時間を犠牲にしてまで受験する意味があるかどうかを判断する必要があります。実際に、学力不足を理由に9月の模試を受験させていないケースがあります。流石に本番直前の模試は受験させますが、それまでに学力が伸びているかが大事です。
9月のベネッセ駿台模試で特に重視して欲しいのが5~6月に受験した模試と比べて何%伸びているかです。問題の難易度の差はあるかもしれませんが、そこは影響はありません。それよりに、夏季休暇中にどれくらい勉強ができたかの指針になります。もし、得点率が落ちているようであれば勉強不足が露呈することになります(*ただし、志望校に対して既に高い得点率をとっている場合は除く)。正直、2学期に追い込むにはかなり大変だということを知っておくべきでしょう。「得点率77%→72%」と「得点率68%→72%」では9月に同じ72%でも意味合いが変わってきます。なぜなら、ここから本気の受験生は必死に勉強をするからです。そのため、上り調子か下り調子かの判断になる模試でもあります。
また、本気で国公立大学を受験する受験生は受けておきたい模試です。なぜなら、夏季休暇明けの模試であるため、2学期が始まり夏季休暇中の様に思い通りに勉強が進まない場合や学校行事に流されている気持ちを仕切りなおしてくれる模試にもなります。夏季休暇中に十分に勉強した生徒ほど学校が始まって勉強時間の確保に悩むケースがあります。そのため、スモールステップとして模試を意識することは良いことでしょう。
模試は全て受験する必要がなく、勉強時間と模試の時間のバランスを考える必要があります。以前、私大希望の生徒が11月下旬の模試を受けない方向で進んでいました。それより、大学が個別にしている対策や予備校が実施する個別対策の模試を受験する方が意味があると考えていました。しかし、共通テスト模試は希望性にも関わらずに担任の先生から度々、「みんなが受験しているのに受けないのか?」と言われた報告されました。模試はあくまで合格を獲得するための手段であり、何を優先すべきかを判断することは大事です。