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大学入試で女子推薦枠の増加で危惧される学力の低下【大学受験】

女子率を増やすことが目的では?

はじめに

国公立大学では女子枠の推薦入試を導入する動きがあります。現行では、男女比に偏りがある学部で導入する動きですが、この女子枠をつくることで学力低下を招く危険性があります。では、何が問題となってくるのでしょうか。

日本では欧米に比べて女性の政治家や役員が少ないと批判的に言われていますが、教育面においては先進国と比べてもトップクラスに男女間の差はありません。そのため、女子推薦枠をつくってまで女性を優遇する必要があるのでしょうか?そこには、女性の比率を上げること(多様性)を名目にした愚策に感じます。それより、大学受験に関しては教育格差の方が大きく影響しており、多様性を重視するなら金銭的な面で支援すべきではないでしょうか

では、なぜ女子推薦枠を入試に導入するのでしょうか?個人的な意見として、まず第一に女子の比率を高めることだけが目的に変わっている点です。同じようなことはプライム市場上場企業の「取締役、監査役、執行役」の男女比で感じます。年々増加傾向にあるにせよ、女性の割合は13.4%と依然として低いです。しかし、それ以上に気になるのは約87%が「取締役、監査役、執行役」の中で社外取締役である点です。正直、一般的に社外取締役の会社への貢献は目に見えづらいです。実際に、主となる仕事が他社にある状態で兼務している場合も多いでしょう。そのため、会社が何らかの不祥事を起こした場合に企業へのチェックを怠ったという理由で社外取締役が責任を追及されることも見えません。結果、「取締役、監査役、執行役」の女性比率を高めるために、社外取締役を任命している気がします。これは、邪推のかもしれませんが、目標ありきではあり得るかもしれません。

2つ目に、少子化の影響で理系に進学する生徒の学力低下を止める狙いがあるかもしれません。少子化の影響で浪人生は減少しており現役での進学が当たり前になっています。ただ、子どもの数は減少したけれども大学進学率が増加したことで一定水準の学力は維持できた面もあります。しかし、大学進学率が50%を超えたあたりから高止まりしている傾向にある点と、ここ20年で大学進学率を増やした主体は女性になります。結果、少子化の影響で子どもの数は減ったが女性の進学率が増えたので文系では大きな影響は受けていません(*学力低下自体はしているけど)。むしろ、理系の方が少子化の影響と、そもそも学力の低下による理系離れの二重苦に陥っているのかもしれません。実際に、明らかに学力不足であっても理系では合格してしまった受験生はいます(ただ、学力不足だから留年はしますが)。そのため、女子の入学者を増やすことで、一般選抜入試の合格者数を絞り見た目の偏差値を上げることができるだけでなく、女性の比率を高めることで男女ともに希望者が増える可能性があるのでしょう。

3つ目は、わかりやすい女子枠だから意味がある点です。2024年度入試において東京大学の学校推薦型選抜入試において女性の合格率は46.2%となっている。一般選抜入試においては25%程度で推移していることを考えれば、統計で考えても推薦入試だから優秀な女性が集まったのでしょか?むしろ、何かの手心が加わっていると考えるのが普通かもしれません。正直なところ、これは誰にもわかりません。誰にもわからないことから受験生も本当に優遇されているか不安になり出願を思いとどまるでしょう。そのため、あえて女子枠とすることで受験生にアピールが出来ます。そもそも、教授陣の女性比率を一気に引き上げるならわかるのですが、一部に女子枠をつくった所で多様性とは何でしょうか?

女子枠をつくることでデメリットはあります。まず、女子枠推薦の影響で一般選抜などの合格者数が削減される可能性です。これは、男性だけでなく、女性自身も最後まで勉強を頑張った受験生が損をする仕組みになってしまう点が気になります。たとえ推薦入試が最低限の学力と人物評価を中心にしているといっても専門の予備校もあるように推薦入試は個人の力だけでない場合があります(*そもそも、提出書類などは本人が考えて書いた保証はなにもありません。絶対面接で見抜けると言えるでしょうか)。むしろ、人物評価であるなら一般選抜のみにすれば良いのではないでしょか?得意分野だけでなく、苦手な分野でも大学で勉強するために学んだ人間の方が評価できるはずですが。

2つ目は、女子枠推薦は学力が信用できないという偏見が生まれる。実際にAO入試で合格した生徒と一般選抜入試で合格した生徒では学力差を比較されることはよくあります。もちろん、AO入試で合格した受験生の中には優秀な生徒もいます。でも、明らかに学力不足の生徒も多く受かっているのが現状です。確かに、国公立大学では共通テストで判断ですが、難関国公立大学では2次対策が本当にしんどいはずですが、それを避けることができます。例えば、女子枠推薦で「京都大学」を出願しておき、前入試では「地方国公立大学」を受験する場合があります。これなら、2次対策は不要で受験生の負担も少ない一方で学力の不安視は残ります。そのため、女子枠だから学力が不安ではなく、推薦入試だから不安とした方が正しいでしょう。

3つ目に、今後も入試の公平性に関係なく意図的な入試ができる点です。以前、医大で女性や浪人生の点数を意図的に下げていたことが問題となっていました。その時は、受験生に知らされない状態で実施されていたため批判されましたが、女子枠を国公立大学がつくるのであれば公平性を無視した入試の実施が容易になります。たとえば、男性が少ない学部に男性枠の設定が可能となります(*実際につくったら批判されるからつくらないでしょうが)。結局、何かの理由をつけながら公平な入試から不公平な入試が横行する可能性が否定はできません。そもそも、女子大ではなく性別を理由で受験できない入試は問題はないのでしょうか??

国公立大学が女子枠を導入する動きには違和感を感じます。男性も女性も優秀な人物(学力が高い人物)が合格するから価値があるのですが、女子枠に関係なく推薦入試の割合増加は学力低下を招くのではないでしょか?それとも、学力など気にしていないのでしょうか?どちらにせよ、理系の女性の割合を増やしたいなら小学校から高校までの理数嫌いを治すのが先か、文系学部の気楽さを失くすの先ではない出ようか?入試制度を変えても一部の受験生が得するだけで大差はないでしょう。

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