スタディサポートはベネッセが取り組んでいる模試であり、進研模試と比べて学習指導に重点を置いた模試である。このスタディサポートは多くの高校で実施されているが、活用するためにはどうするかを考えてみましょう。
スタディサポートだけではありませんが、多くの実力テスト系の模試では取り組んで終わりになっているケースが多い。これまで、スタディサポートを受けてきた高校生の中には担任から個別面談があるケースの方が少ないのではないでしょうか?面談があっても、スタディサポートの趣旨にあった形で学習指導しているケースの方が少ないし、たとえ的確な指導をしてもその通りに取り組む高校生は少ないでしょう。もちろん、大学受験を意識したコースに在籍しているなら別ですが…。昔、強制的に放課後に個別面談を設ける時間をつくったことがありますが、1人5分で面談を終わらせたと自慢気に話している担任もいます。そのため、多くの模試がやりっぱなしで終わってしまっているのが現状です。
一方で、ベネッセの担当者に依頼すれば校内研修などで成績の分析や問題点を説明してくれるのですが、ここにも担任によって温度差が生まれます。また、模試の結果を見て、「生徒の何が出来ていないか」を分析することはできますが、そもそも授業していれば問題点や課題がわかっているはずですが…。そのため、普段の授業で問題点や課題を見つけることができないなら、模試の設問を分析しても効果的な授業にフィードバックされることの方が少ないのではないでしょうか。
では、スタディサポートを取り組む意味は何でしょうか?
【進研ゼミ高校講座】まず、あまり意味がないように感じるのは学習GTZになります。勉強に対する取り組み方は自己申告でもあるので、わざわざGTZにする必要もないでしょう。一方で以下の効果があると感じます。
①スタディサポートを受験することで学習内容の壁を知ることができる。定期試験では高校によって難易度が大きく異なります。成績優秀の生徒であっても実力が備わっていないケースが多くあります。例え、学園1位であっても偏差値が40前後の場合もあります。そのため、定期試験以外にも勉強しなくてはいけない意識を持たせることができる。
②学年での順位を気づかせてくれる。学年での順位がわかれば大学受験の一つの柱ができます。例えば、毎年国公立に合格できるのが20人程度なら学年で20位以内に入っていないと厳しいのではないかと考えられます。また、明らかに下位の場合は科目を絞るなどの選択肢も増えます。そのため、全体から自分の位置を見つけることができます。
③模試の回数ごとに学習の伸びを確認できる。受験した模試の結果はデーターとして記載されるので、学力が伸びているかどうかを確認します。もちろん、受験勉強をしていない高校生の場合は右肩下がりになる傾向はあります。そのため、次第に下がってくれば焦りが出てくるので学習意欲を高めることができます。
①②③にあるように学習意欲を高めるための方法としてスタディサポートは材料の1つになります。ただ、大学受験を考えていない・大学受験を指定校で考えている高校生にとっては単なる実力試しの試験でしかありません。そのため、意味はないでしょう。ただ、難関大学に進学したい受験生にとっては学習意欲を高める材料になります。
【進研ゼミ高校講座】何か月に1回しかしない模試では正確な学力を測定することは難しいです。偶然、記号が合えば偏差値が大きく上がることもあります。そのため、1回1回の模試で気にする必要はありません。ただ、感覚とすればBゾーン以上であればMARCHや関関同立レベル、Aゾーンであれば国公立大学を狙える素質は持っています。もちろん、Cゾーンからでも可能ですし、Dゾーンの場合は本当に基礎から固めれば可能ですが、Bゾーン以上であれば十分難関大学は狙えます。そして、中堅の高校生の多くが1年生であればBゾーン以上をとっていることを考えれば、高校3年間で学力を下げていることを感じます。そのため、Bゾーン以上の高校生は大学受験で本気で難関大学を目指しても良いと考えても良いでしょう。ただ、何もしなければ落ちていくだけです。