学力上位層は集団塾の人気が高いままであるが、中位層・下位層では個別指導塾の人気が高まっている。ただ、個別指導塾に通うことのデメリットを考えずに、何となく塾選びをしているケースも多い。そのため、まずは個別指導塾の問題点を考えてから本当に適した塾選びをしていきたい。
個別指導塾ということは、複数の生徒が同時に何人かの先生によって指導されていることを意味します。実際に、教室内の光景を見れば生徒と講師の数が教室内に多いことがわかります。仕方がないことですが、色々な所から解説や質問をしている声が聞こえてきます。そのため、雑談しているからではないのですが、基本的に騒がしくなってしまいます。もちろん、人数が少なければ静かな環境で勉強が出来るかもしれませんが、そうすると塾側の経営面で問題が発生します。まるで、カフェで勉強している(資料を作成している)ような感じになってしまう恐れがあることです。もし、その様な中でも集中して勉強が出来るのであれば問題はないでしょうが、その集中力があるなら塾に通わなくてもできるのは?と感じます。
結果として、個別指導塾の形態上は教室内がある程度は騒がしくなるのは仕方がないのですが、どの程度の騒がしさかは把握しておきた方が良いでしょう。
個別指導塾では講師1に対して生徒1もしくは2程度で授業を受けることになります。そのため、講師を拘束するための給与を1人~2人程度で割らないといけないことから集団塾より高額になりやすいのも事実です。当たり前の話ですが、講師を独占する以上はそれに見合う授業料金を支払う必要があります。例えあ、1対1で60分の授業を受けた際に1000円で済むでしょうか?まず無理です。なぜなら、「講師の時給額(1200~1500円)+塾の収益分+教室運営費用分」がないと学習塾は運営できません。結果として、集団塾よりも費用が高額になりやすい点になります。
気になる点は、色々な塾のホームページを見ても費用面がわかりづらい点です。良心的な学習塾であっても月々の費用が解る程度で、季節講習にどれくらいの費用がかかるか解らない点です。例えば、夏季講習で個別指導塾では8~20万円程度の費用がかかるとされます。そのため、月々の授業料が妥当であっても季節ごとの講習で多くの費用がかかることになります。ただ、この点は集団塾でも言えることかもしれません。
以前から学習塾のアルバイトは時給が高いが割に合わないものでしたが、最近は他の職種も時給が上がっていることでアルバイトの魅力としては低くなっています。そのうえ、大学生の半分が推薦入試での進学を決めていることから受験勉強を経験していない大学生も多くいます。結果として、大学生講師の質が低下している可能性は否定できません。もちろん、大学生講師の中では優秀な人材もおり、教科指導力がある場合もあります。その一方で当たり外れがあることは間違いありません。ただ、小中学生であれば対応できるのでしょうが、運営方法によって疑問がある場合があります。
例えば、大学受験で使用していない科目にも関わらず高校3年生の担当となった。事前に指導できないとした科目にも関わらず指導するように指示された等、教室長の判断になりますが無茶ぶりしているケースもあります。そのため、「タダ働きで予習するか」「わからないまま教えるか」になっている場合があります。もちろん、講師が質問されたらどうしようか?と心配しても生徒からの質問は少ない。そのため、誤魔化せますが意味があるのでしょうか?
結果として、良い講師にあたることが運ゲーになってしまっている可能性があります。もちろん、実際には学力が不足している場合でも無難に授業が出来る講師も多くいます。そのため、特に問題が浮上することは少ない。また、学力があるから教科指導力があるのは別と言えます。
個別指導塾は授業時間の設定など自由度が高いメリットがあるようですが、担当者が曜日によって変わる可能性や担当の講師と時間の都合が合わない場合があります。特に夏季講習中では講師の都合(出勤時間帯)と他の生徒との調整になるため、思った以上に制限されていることがあります。もちろん、講師は誰でも良いなら自由度が高いと言えますが、学力を上げるためにはコロコロ講師が変わらない方が良いかもしれません。そのため、集団塾並みにカリキュラムの動きが硬い場合があります。
また、個別指導塾では自分のペースで学習できることがメリットのように感じますが、それは学力上位層の場合です。勉強が苦手な生徒は重点的に学習してくれる反面、授業ペースに遅れてしまう可能性があります。そうすると、どんどん抜けが発生して学力が伸びなくなる可能性があります。そのため、課金ではないですが季節講習でしっかりと勉強する必要が出ます。
ここまでデメリットを書いているので、個別指導塾は良くないイメージになったかもしれませんが、デメリットばかりであれば人気があるはずがありません。そのため、個別指導塾に合う生徒層が必ずあります。では、どういった学生が個別指導塾に合うのでしょうか?
①集団塾や独学では勉強できない(=誰かの監視下でないと勉強できない)
②楽しみながら勉強している状態をつくりたい
③授業を計画通りに受けることが出来ない
④マイペースに勉強がしたい
これらの生徒は個別指導塾が合っているでしょう。多くの中高生は勉強を自ら勉強する方が少数派であるため多くの生徒が該当します。ただ、「楽しい塾」と「学習効果がある塾」は必ずしも一致しない点はあります。そのため、楽しく学習塾に通っているが学習効果がない場合もあります。そのため、学校以外で勉強する習慣をつける点では良い点であるが、上位を目指そうとしたときに良い講師が担当かどうかにも限ります。
個別指導塾によっては講師の研修を行っているケースもありますが、例えば1年間教員として働いても授業力がつくわけでもありません。やはり度重なる経験と教材研究が授業力につながることを考えれば短期間の研修で飛躍的に授業力が伸びないと考えた方が良いでしょう(*研修期間も時給が発生することを考えれば、それほど多くの研修は出来ない)。ただ、指導力がある講師よりコミュニケーション力がある講師の方を好む生徒も多く、その方が勉強に肯定的になるのも間違いありません。
結果として、学校以外で勉強を始める第一歩としては意味あるが、何を勉強するかを的を絞らないと中途半端になるリスクはある。そのため、勉強しながら自分に合うかどうかを考える必要がある。