
TOEICで中国籍の京大院生による不正行為が行われたが、同教室で受験予定者の約3割が欠席するなど異常事態が発生している。この問題から英語外部検定を利用することの問題を考えてみたい。
今回はTOEICの試験会場での不正行為が発覚したが、既に何度かは不正行為をしている様子であった。そのため、試験の主催者である運営法人「国際ビジネスコミュニケーション協会」が試験監督をしても不正発覚まで時間がかかった点を考えると、最近の入試で多い英語外部検定を利用した試験でも不正が存在する可能性がある。
英語外部検定では中高生では英語検定、高校生ではG-TECなどが利用されることがあるが、これらの検定試験の疑問点は校内受験(塾などでも準会場)が可能な点である。もちろん、校内受験であっても監督者が不正行為に加担することはないかもしれない。ただ、不正行為を働いた際に本当に厳しい処分が下されているのだろうか?例えば、準会場となった会場になった場合にどの様な処分が下っているのでしょうか。調べると、ある高校で不適切な試験官の配置により不正行為を働いた高校生がいたのですが、試験結果は有効とされたが(*現行犯でないから?)不合格となり、生徒に反省文を提出させたというのが出てきました。もはや性善説では検定試験をしっかりと取り組むことは難しいのかもしれません。
また、不正ではないにしても校内受験する際に開始時間は全国共通でない点も気になります。調べてみれば日程が違えば試験問題も変わってくるようなのですが、開始時間の設定がされているのでしょうか?G-TECは統一時間があった気がしますが、記憶はあやふやです。ただ、大学入試や高校入試などに使用される試験が必ずしも厳格な管理下で実施されていない点は気になります。
どちらにせよ、以前であれば不正行為をする方が珍しかったため性善説的に試験方法を考えても問題はなかったかもしれません。ただ、SNSの発達などで簡単にカンニングする方法や闇業者が存在する以上は「不正行為はしない」と決めつけるべきではないかもしれません。一番の恐ろしさは、真面目に取り組んだ人が損することではないでしょうか?
英語外部試験を高校入試や大学入試に導入しているケースが増えていますが、中学生などに英語の勉強を促す道具としては有用ですが、学力がついているとは感じません(*もちろん、英検の勉強をした中学生の方が英語力があるが、英検3級に合格しても中学卒業レベルの英語力はあると感じない)。むしろ、検定に合格するための問題の解き方を身につけているだけに感じます。特に、ライティングなどは英作文をさせていても面白みに欠けます。もちろん、パターン通りに書く必要はないのですが、検定に合格することが目的ならパターンにはめた方が省エネルギーで合格できるでしょう。
英語外部試験には不正行為による公平性の喪失だけでなく、英語の学力を落とす要因をつくっています。なぜなら、上位の公立高校などを受験する中学生にとって見なし点で高得点が確約されるなら、入試本番まで残りの4科目を勉強するでしょう。そうすると、高校入学時には定期試験レベルの英語力しかない状態で進学校の授業が始まります(*英検2級に合格しても半年以上も間が空けば忘れています)。結果、英語ができない高校生をつくりだす可能性もあります。逆に加点方式であれば継続して勉強するため効果はあるでしょうが、苦労の割にメリットが内容に感じるかもしれません。
ただ、なぜここまで外部試験に対する絶対的な価値観を持った社会になったのでしょうか?業界や国家資格ならわかりますが、英語なんてペーパーテストの結果で短時間の面接しかない状態で英語力を測りきれるのでしょうか?もちろん、英語関連の検定はあった方が目安をつくりやすいかもしれません。ただ、入試などで使用されることが増えているにも関わらず、大学受験の指導時に英語力がついていると感じません。検定に受かるかどうかで人生を左右させすぎる点がカンニングを誘発しているのでしょうか?