大学入試でも推薦入試の枠が拡大していることで小論文により大学進学を決める機会は増えてきている。その一方で、小論文をしっかりと指導された経験が少ない高校生も多い。そのため、小論文の基礎から実践までを解説していきます。
小論文は設問や内容により字数がバラバラであるが、ある程度の小論文(600字程度)を考えた際に、序論・本論・結論で3~4段落にまとめると綺麗な文書になりやすい。あまりにも段落が多い文章は読みにくいだけでなく、話題の展開が多すぎて内容が伴わないことがある。そのため、3~4段落で文章を書く練習をしましょう。ただ、序論・本論・結論を意識すれば簡単に書けるようになります。また、段落の最初は1マス空けて段落が変わる際もマス目の途中でも次の段落に移ってください。
ある時、600字以内の文章を生徒に書かせている時に段落が変わるから、その分は字数に含まれないからもっと書かなくてはいけないと真顔で指導している先生がいたこともあります。もちろん、段落が変わることでの空マスも字数に入ります。ただ、「20字で答えなさい」など段落をつくる必要がない場合は空マスは字数に含まれないので注意しましょう。また、規定字数に対して85%以上は埋めるようにすることが必要です。
句読点は1マス使いますが、行の最後の句読点は下図のように最後の文字と同じマスに書いてください。決して、行の頭に書くことはない様にしましょう。
また、数字に関しては1マスに2つ記入をしていきます。縦書きの場合には漢数字を使用します。
アルファベットは小文字は1マスに2つ記入するが、一般的に使用されている固有名詞の場合は1マスに1字で書いていきます。ただ、固有名詞に関しては世界貿易機構など正式名で書いた方が良い場合もあります。また、本文中で使用されているなど余程のことがない限りはアルファベットを書くの避けた方が無難です。また、小数点を使用する場合は3.14の場合は1マス目に「3.」、2マス目に「14」を書きましょう。
ムームーサーバー ムームーサーバー③略字・口語体に注意
小論文では略字で書くことに注意が必要です。学生たちで間違ってしまうのは「ネット」や「携帯」になります。それぞれ「インターネット」や「携帯電話」と略することなく書く必要があります。もっとも、SNSを「ソーシャルネットワーキングサービス」と書く必要はないでしょうが、「ネット」のようにインターネットと網のネットなどの様に誤解を生む可能性があるものは決して略さず書いていきましょう。もちろん、どこまでが一般化されているか学生が判断することは難しいのですが、怪しい場合は別の表現や書かないという手も使えます。
また、口語体で書いてしまう学生が非常に多いのも注意が必要です。「おばあちゃんに言われたのは~」など過去の体験談を書く際も祖母に書き換えるなど意識してください。「~になって、」と会話のような接続詞を使う場合もあります。これは感想文やエッセーなどでは有効な場合もありますが、相手に自分の意見を説明する小論文では軽くなり過ぎるので注意すべきです。
【注意すべき書き方】
①「~し~」(例)日本は高度経済成長期に所得は大幅に伸びたし、中流意識も生まれた。
②「なんで~」(例)なんで、そのようなことを言うかと言えば、
③「ら抜き・い抜き言葉」(例)彼は魚を食べれるけれど、彼女は食べれない/~をしてる
④「~とか」(例)少子化問題とか高齢化問題は
擬態語・擬音語などエッセイなどでは効果的な一面がありますが、小論文では文学的様相が強くなります。例えば、「ぐんぐん成長をして」「ドキとした気持ちになって」など、これらの表現は小説などでは情景を理解してもらうために効果的な方法なのですが使用するのは控えましょう。また、「!」や「?」などの記号も使用しないようにしましょう。
⑤主語と述語に注意
1文が長い文章は、いつの間にか主語と述語が一致していない場合があります。そのため、あまりにも修飾しすぎると文章がわかりづらくなるので、1文をまとめて主語と述語を揃えるようにしましょう。これは、高校生に文章を書かせると非常に多い内容です。そのため、見直しする際には特に意識して確認しましょう。