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大和大学は本当に「東の早慶、西の大和」になれるか?

「東の早慶、西の大和」は本当?

はじめに

大和大学は「東の早慶、西の大和」というCMをつくったことで冷ややかに見られることも多い。一方で、西大和学園が母体となっていることもあり開学から偏差値はそれなりの高さを維持している。そのため、長い期間を考えれば現実になるのかどうかを考えてみたい。

以前、近畿大学が早慶近とキャッチフレーズを使った広告を出したことで苦笑された記憶がある。ただ、関東では一部の受験生は本当に近大は伸びていると勘違いしたケースもあるようだが…。そのため、大和大学の「東の早慶、西の大和」も同じように苦笑で終わるのだろうか…。

まず、偏差値ですが47.5~52.5の付近にあり、近畿大学の45~57.5と比べても善戦しているといえます。そもそも、大和大学として開学したのが2014年と非常に新しい大学ではあるにも関わらずに強みを最大限活かしている様に感じます。学部も次々に作り出していることで総合大学としての立場は確立してきました。では、順調に地位を上げていくかと言えば、それは簡単ではありません。

まず、大和大学と同じ吹田市にある関西大学の偏差値が52.5~60と差はまだまだあります。早稲田大学が62.5~70であることを考えれば大和大学の差は歴然とあります。また、新しく開校したことで設備面などで綺麗なことは受験生にとって評判が良かったのですが、以前の団地とは見違えるほど整備されていますが、ただ10年が経過すれば目新しさもなくなります。そうすると、いかに受験生を増やすことができるかが重要になってきますが、そこに大和大学の受験しにくさがあります。

大和大学の入試問題は、この大学を受験する受験者層からは難しい問題になります。ただ、関西大学レベルの受験生からすれば難しくはないのですが、産近甲龍レベルの受験生にとっては非常にやりづらい難しさがあります。そのため、産近甲龍レベルの受験生からすれば滑り止めにはならないことが多い一方で、産近甲龍の代わりに大和大学を軸にするケースもためらうことが多い。もちろん、立地的な面から関西大学の滑り止めに大和大学を受験する場合もあります。結果、大阪経済大学・追手門学院大学より難しい問題になっていますが、滑り止めなら受験を避けるケースがあります。そのため、上に上がっていくために必須の併願者を増やしていくことが難しいかもしれません。それでも善戦しているからこそ、評価はされています。ただ、このままでは佛教大学のような立ち位置に収まる可能性は否定できません。

現行は、西大和学園の大学で評価はされており、ネガティブな評価が少なく勢いに乗れた点が大きいでしょう。ただ、ここからは嫌でも周辺の大学と比較されながら選ばれなくてはいけません。実際に、「他の大学と何が違う?」と聞いても受験生にとっては何となくの点が多いです。もちろん、「この学問を学びたい」と本気で考えている受験生もいるでしょう。ただ、本気であればあるほど学力の高い層は難関大学を受験すると思います。そのため、同じ地域にある大阪経済大学や追手門学院大学と何が違うのか?近畿大学や龍谷大学と違いは?を明確にしていく必要があります。

ただ、やはり入試問題は大学の顔となるので、どの様な受験生を求めているのかを考えさせられます。

結論から言えば、大学の序列を変えるほどのインパクトを続けることは難しいでしょう。開学当初は、看護学部や教育学部など当時流行っていた流れ順調に受験者層を伸ばしていき、他学部を次々に設置していったことでイメージを良くしているのは事実です。また、国家資格系の学部であれば新設でも影響は少ないのですが、通常の学部であればOBの少なさなどデメリットはあります。そのため、更にインパクトがあることを続ける必要があるのですが難しいでしょう。また、知名度においても近畿圏内では一定の評価がされていますが、全国では知名度が圧倒的に劣ります。

では、大和大学が今後も成長を続けるために必要なことは認知度を高めていく必要があります。そもそも、大和大学は初年度からそれなりの評価を受けていた大学です。そのため、下位層から伸びてきたのではないのが特徴です。一方で、学力を上げていくためには近畿圏以外の受験者層を増やしていく必要があります。そのため、「西大和学園の大学」という印象や「JR吹田」から近いから便利という評価はできます(*ただ、関西大学や立命館大学茨木キャンパスと比較すれば…)。ただ、歴史が浅い分だけ「どんな大学?」となってはしまいます。そのあたりは近畿大学のマグロ大学など1つの特徴を前面に出す上手さはあります。もちろん、同学力帯の大学も似たようなものですが…。そのため、差別化することで認知度を高めることができるでしょう。また、入試問題が一定の学力層には難しくないが、大和大学あたりを目指す受験生にとっては取り組みにくい難易度でもある。そのため、併願先やチャレンジ校として薦めづらい点もある。

どちらにせよ、同じ吹田にある関西大学を脅かす存在にならない限りは「東の早慶、西の大和」が空回りしてしまう。まずは一歩一歩実績を積み上げることも大事でしょう。

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