• 大学受験・高校受験の志望校合格へのポイント

「中学受験は子どもの可能性を潰す」は間違いの理由

中学受験の本質を考える

はじめに

中学受験に反対している保護者の中には、中学受験は小学4年生から始まり多額の費用と労力を要するために子どもが子どもらしくないと批判的に考える。また、志望校に合格したが深海魚になってしまうことを懸念する場合が多い。しかし、「中学受験は子どもの可能性を潰す」が幻想であることを考えたい。

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中学受験に対して費用面や子どもと保護者の時間と労力の負担を考えて中学受験をさせたくないと考えるなら理解はできる。なぜなら、小学4年生頃から塾に通い、かなりの費用をかける一方で、子どもを勉強させるために保護者の労力は計り知れない。そのため、このデメリットが大きい分だけ公立中学校に進学させることは間違いではない。一方で、「子どもの頃から勉強ばかりで可哀想」「勉強優先で子どもの可能性を潰している」と考えるのは間違いである。なぜなら、中学受験の有無に関係なく子どもの可能性は狭められている

例えば、「もし、あなたのお子様がフィギュアスケートをしたいと言い始めたらどうしますか?」。初心者であれば費用は現実的な負担ですが、普通に滑れるレベルになると月20万程度の費用がかかる場合があるらしい(*ジュニアの大会に上位に来るレベルでもない)。そのため、子どもの可能性を信じてこれらの費用を負担できる家庭がどれほどあるでしょうか。また、一般的な競技であっても才能が開花するレベルまで上達した場合の費用は多額の費用になります。このことから、そもそも子ども達は無条件に全ての可能性を伸ばせる機会は存在していません。むしろ、可能な選択肢の中から取捨選択しています。ただ、そもそも子ども達は楽しいレベルで満足している場合の方が多いのではないでしょか。そのため、中学受験したから子どもの可能性が狭くなるは間違いでしょう。むしろ、エスカレーター式であれば中学校・高校と継続して部活動ができる場合があるので、そちらの方が伸び伸びと上達するかもしれません。

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子ども達の可能性を信じるのは良いのですが、大半が普通の人になります。ただ、プロスポーツ選手や将棋の名人になれないかもしれませんが、その分野で大きな可能性を発揮している可能性があります。では、どのような場合に中学受験する必要がなかったと言えるのでしょうか?

まず、中学受験をせずに公立中高に進学して難関大学に進学した場合は中学受験の必要はないかもしれません。もちろん、中高での塾代などの費用総額は中学受験生と変わらない場合もありますし、高校3年生で受験勉強するしかない状態でありながら、エスカレーター式の高校生は青春を謳歌している可能性はあります。そのため、小学生の時に詰め込んで勉強しなかった代わりに、中学3年生や高校生で勉強を詰め込んでいることになります。

また、私立中高に進学しても高校卒業後の進路が短大・専門学校・就職になった場合は意味は意味はなくなるでしょう。ただ、中学進学後の6年間で進路変更があって当たり前ですから、結果として中学受験は大変だったという思い出になるだけかもしれません。

以上のことからも、中学受験することは大学を視野に入れて勉強している場合が多いため、中学受験しなくても問題ない場合もあれば、中学受験しなくても良い場合になるのは仕方がないでしょう。

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高校生の約半分は大学に進学していますが、その中で難関大学に合格できる高校生はどれくらいいるでしょうか?

ベネッセの偏差値表でいえば(*幅広い学力層の高校生が受験している)、日東駒専や産近甲龍で偏差値が50以上あります。言い換えれば、高校生の半分以上は日東駒専や産近甲龍に届かないことがわかります。もちろん、医療系など枠組みに入らない大学はありますが、普通の学校生活を過ごしただけでは、大学進学時に難関大学に進学することが難しいことがわかります。

特に保護者からすれば、学部に拘りがないなら難関大学に進学して欲しいと思う場合が多いでしょう。そのため、中学受験をすることで一定水準の大学に進学させたいと思う気持ちは否定できません。この様なことを言えば、学歴ばかり気にしてと思う人も多いかもしれませんが、学歴はあって困るものではありません。また、学歴が高いということは在籍する生徒の学力水準が高い場合が多く、高度な学習が可能になります。一方で、分数の計算ができない生徒ばかりの大学で心理学などで統計をどの様に学べると思いますか?結果、知的好奇心を満たす意味でも上位校への進学するメリットは大きい。ただし、エスカレーター式の学校の場合は、それ以上の大学を目指さなくなる可能性は高い。

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中学受験をして志望校に合格できたが、授業についていけずに学力下位層でモチベーションが上がらない場合があります。そして、途中で挫折をしてしまう可能性は否定できません。しかし、学力問題が原因でなくても、学校に通えなくなる子どもは公立中高でも一定数います。そのため、中学受験せずに公立中学に進学したから楽しい学校生活を過ごしているは楽観的ではないでしょか。また、中学受験して普段から勉強で忙しい学校生活を過ごしている生徒が不幸というのも間違いでしょう。どちらの場合も、それぞれの生活環境に柔軟に適応することが必要である。そのため、深海魚になることを過度に恐れる必要はありません。

では、中学受験は大学への進路以外に何のメリットがあるかですが、小学生範囲の基礎学力がついている点が大きい。言葉にしても計算にしても、学習姿勢にしても中学受験を経験している方が良い場合が多い。そのため、勉強を始めた際の呑み込みの早さは感心します。また、中学校によっては授業が成立していないケースがある。授業中に騒ぎだす生徒、立ち歩く生徒、それを止められない先生など問題を抱えているケースがあります。これは、私立中学の方がマシな可能性が高いといえます。また、同じような学力層の生徒が集まっていることもあり授業の質が良い場合があります。ただ、これは通学校次第なので運が悪ければ当たりを引くことになります。

以上のことを考えれば、中学受験をすれば子どもの可能性を狭めるのは一部の才能だけと言えます(ピアノなど幼少時から続ける必要があるもの)。そのため、多くは金銭的な負担と保護者の負担を避けている場合もあります(*特に考えていない場合が多いでしょう)。そのため、中学受験ができる環境にあるなら挑戦してみても良いと思います。それは大学の進路というより、小学生の間にとことん勉強したことが中学生や高校生でも役立つからです。

そもそも、中学受験したから可能性が広がった子どもも多いはずです。

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