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大阪の私立高校無償化は本当に高校生や保護者のためになるのか【教育】

無償化を巡る見方を変える

はじめに

大阪では私立高校の完全無償化(*実際のイメージとのズレはあるが)は賛否が起きている。私立高校からも不満が高まっているだけでなく、私立高校への税金投入に反対している意見もある。果たして、本当に高校無償化は高校生や保護者にとってメリットはあるのか?

「公立高校=学費が安い」は当てはまるのか?

公立高校は費用が安い、わざわざ高額な私学に進学する高校生に税金で補助する必要がないという意見を聞くことがある。しかし、中学生のほぼ全員が高校に進学する現状で私立高校を選択することは贅沢と言えるのでしょうか?単純に学費が安いからという理由だけで公立高校へ進学しますか?例えば、早慶や関関同立に合格したが奨励金で4年間学費が無償化されるからFランク大学に進学を決めた大学生は多数派でしょうか?

この様に考えると、私立高校に進学すること自体を贅沢と考えるにもどうでしょうか?むしろ、「公立高校=学費が安い」は本当に当てはまるか疑うことも大事です。もちろん、実際に高校3年間で支払う金額は公立高校の方が安いのですが、そうとも言い切れない事情もあります。

それは、「安かろう、悪かろう」になっていないか考える必要があります。

公立高校を選ぶ生徒と私立高校を選ぶ生徒

公立高校の地区トップを目指す中学生ならば目的意識をもって受験していることも多いでしょう。その学力層では私立高校が中高一貫の場合が多いこともあり。同じレールで競争できる公立高校を目指すのはわかります。

一方で、多くの中学生や保護者は「何となく公立」「授業料が安いから公立」など目的意識がない場合もおおくあります。また、「土曜日に授業があるのは嫌」「校則が緩い」などの理由で公立高校に進学を希望する中学生も多くいます。いわゆる、普通の高校生活を謳歌したいケースです。

しかし、本当に公立高校は費用が安いのでしょうか?もちろん、私立高校と比べると総額では公立高校の方が安いですが、修学旅行費にしても電子機器にしても昔と比べて高額になっています。そして、最大の問題点は受験勉強を考えた際に、高校とは別で予備校などに通うことが当たり前になっている高校もあります。または、最近ではスタサプを申し込ませて丸投げになっている場合もあります。だからと言って有効活用できていないケースも多くあります。そのため、大学受験を一般入試で考えている(難関大学の進学)場合は、公立に進学するよりも受験対策をしてくれる私立高校へ進学する方がトータルで費用負担が小さい場合もあります。

つまり、どの様な目的で高校へ進学するかによって公立が良いか私立が良いか変わってくる点もあります。

私立高校を選ぶ1つの理由

私立中学へ進学する生徒の中には、地元の中学校が荒れている(不安)だから私立中学に進学する場合があります。同様に、高校では「公立は校則が緩い」という認識がある中学生が多いことからも、不安があるケースも多い。もちろん、公立高校でもしっかりと指導している学校もある一方で、私立高校でも校則が緩い(指導できていない)学校もある。しかし、問題となるのは生徒自身が公立は校則が緩いと思っている点ではないでしょうか。

また、進路指導に関しても、どちらの方が大学受験などの指導を本格的にしてくれるか?そう考えたときに公立か私立のどちらが熱心かはわかります。ただし、私立高校であっても、パンフレットに書いていても実際にはしっかりと指導していない場合もあります。逆に、公立であっても熱心に取り組んでいる場合もあります。

私立高校への無償化はアウトソーシング化

私立高校への完全無償化は税金の負担増に反対の意見も多いでしょうが、一方で見方を変えれば高校のアウトソーシング化をしていると考えられます。一般企業でもあるように、自前で運営するよりも外注をした方がコストを下げれます。

つまり、公立高校の人数を減らす、廃校にすることで人件費を圧縮することが可能になります。高校を1つ減らせば大幅な人件費の削減と廃校による土地活用(売却)も期待できます。公務員であれば人員の削減は要因ではありませんが、私立であれば比較的容易に可能になります(*賞与を大幅に減らすことも可能)。そのため、数年後を見た際にコスト面では私立高校へ進学する生徒に税金を投入した方が安上がりとも言えます。

問題は、費用面で比較が実施されていない点です。もし、数年後のコスト負担を比較したことを明確にしてもらえれば誰もが納得するかもしれません。

最後に

私立高校の無償化は高校生や保護者にとって選択肢が広がるメリットはあるでしょう。ただ、私立高校の中には生徒に迎合したカリキュラムの場合もあれば、公立高校のコストに関係なく選択授業の豊富さ等の魅力も考えなくてはいけません。ただ、やはり所得制限をしていたことが間違いだったのかもしれません。

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