
私立高校の方が授業料以外の費用も大きいが進路実績が良く、指定校推薦枠など沢山あるため金銭的に余裕があるなら私立高校に進学させたいという保護者が多い。しかし、本当に私立高校の方が公立高校より進路指導で優れているかを考えたい
私立高校の方が優秀な教員が集まっているとの誤解があります。確かに、私立高校は転勤がない高校も多いことから指導力のある先生が学校の学力に則した適した指導を続けている可能性はあります。しかし、逆の可能性があることにも気づく必要はあるでしょう。ただ、最近の教員不足は問題であり、一部の科目では教員を選べない状況にあります。そのため、教員によっては進学校の授業ができるレベルに達していない可能性もあります。もちろん、公立高校であっても同じことは言えます。結果として、授業力に関しては公立・私立ともに大差はないかもしれません。むしろ、入学してくる生徒の学力層の方が重要といえます。
受験指導力に関しては、私立高校の方が受験優先のカリキュラムや年間行事をつくれることが有利といえます。そのため、学校の方針に合った高校生にとって恵まれた環境と言えるでしょう。特に、高校3年生の時に痛感するかもしれません。一方で、勉強中心のカリキュラムや年間行事に「楽しい高校生活」を過ごしたい高校生にとって不満になるかもしれません。
ただし、私立高校の中には「頑張り過ぎる高校」が存在します。始業前に小テスト(補習)、放課後の補習、呆れるぐらいの小テストと宿題など明らかに過剰に高校生を勉強させようとする高校もあります。それらの高校の場合は本人の学習意欲がない場合は作業化するため効果的な学習を得ることができません。また、受験科目を絞ることも許されずに、受験科目外の勉強を強いるケースもあります。結果として、「頑張り過ぎる高校」の自己満足に振り回されることがあります。また、受験用の補習を外部に委託、スタサプなどの映像授業に半分丸投げ状態になっている場合もあるでしょう。
ただし、公立高校の場合は「何もしないから自由に受験計画をつくれる」ことが可能です。もちろん、公立高校の中には長期休暇中に受験用の補習をするなど対策をしているように見えますが、ある生徒が国語や英語の受験用の補習は夏休み中に6回だけあったと言っていたことがあります。そのため、どれくらいの受験用の補習が実施されているか事前に知っておく必要はあります。ただ、この点は私立高校も同じかもしれません。
どちらにせよ、強制されないと受験勉強しないなら私立高校の方が良い、学校ではなく外部に受験指導先を求めるなら公立または受験指導が緩い私立の方が良いでしょう。実際に、公立高校の方が受験指導する際に自由に時間がとりやすいのは確かです。
進路指導に関しては、そもそも多くの高校生が進路指導の先生に相談することの方が少ないのではないでしょうか?そのため、進路指導の差は私立・公立共に大きな差はないかもしれません。もちろん、これまでのデーターがあると言われるが、客観的な資料であれば模試などのデーターでも十分活用ができます。そのため、重要になってくるのは指定校推薦入試の方針と担任の指導力ではないでしょうか?
指定校推薦入試に関しては、公立高校の方が公平性はあるかもしれません。ただ、私立高校の場合は指定校推薦入試の校内選考がどの様な判断で下されているか不透明な場合もあります。例えば、指定校推薦入試を上手く(悪く)使用するならば、①学力上位層は一般選抜で受験させて、一般では合格できない生徒を指定校推薦で上位校に合格させる(*合格者数の水増しができる)、②スポーツ推薦入試を実施している高校なら指定校推薦入試の枠を使用して勧誘する、など使えます。ただ、この指定校推薦入試をどの様に扱うかは高校によって違うため良し悪しはあるかもしれません。また、私立の方が指定校の枠が多いといっても在籍数が多ければ意味はありません。
また、進路指導を受ける際に多くの生徒にとって窓口になるのでは担任になります。ただ、教員不足は質の低下が避けることはできません。実際に、適当に進路指導をしているケースもあります(*生徒が適当な場合も多い)。これは私立・公立に関係なくおきる問題でしょう。
結果として、進路指導の差は公立・私立では大差はないかもしれません。ただ、私立の方が学校の意向に沿った形の指導になる可能性はあります。
私立高校であっても生徒の学力を伸ばせるとは言えません。例えば、難関大学付属の私立中学に合格する生徒は優秀な子どもと言えます。そのため、しっかりと学力を伸ばしていけば国公立大学や海外の大学に進学する生徒も多いでしょう。しかし、現実問題は多くは内部進学をしていきます(*一般選抜で合格できる水準でない場合でも)。もし、中学校と高校の6年間で幅広い知識を教育しているなら、内部進学より多方面に進学を望むのではないでしょうか。そのため、生徒を伸ばしているのは私立か公立の差ではなく、そこに通う生徒の学力や質が大きな影響を与えます。
ただし、中堅以上(準進学校/自称進学校)の高校であれば、私立の方が勉強を頑張ろうとする印象が強く、公立の方は校則が緩い、土曜日が休みなど緩さを求める感は否めません。ただ、自律して勉強ができるなら公立の方が良いかもしれません。もちろん、受験勉強などは外部に頼るしかありませんが自分の計画通りに勉強ができます。一方で、ある程度拘束しないと勉強ができない場合は私立の方が良いかもしれません。結局は、公立・私立の別より生徒の気質に合わせる方法も良いかもしれません。