北野高校の進路実績から考える世間のイメージとの違いはあるのか？【高校受験】

優秀な生徒を評価されるが…

はじめに

大阪府の中で北野高校はトップレベルの高校として人気がある高校です。先日も京都大学合格者が100名を超えたことで話題になりました。そのため、「北野高校の生徒＝優秀な生徒＝難関国公立大学に進学できる」と考えがちです。もちろん、難関国公立大学の進学実績は良いのですが、世間のイメージが神格化しすぎているとも感じます。では、進路実績から本当の姿を考えてみましょう。

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北野高校に優秀な生徒が集まる理由

以前の公立高校には学区制があり、第１学区は北野高校、第２学区は茨木高校がトップの公立高校として君臨をしていました。その後、学区が統廃合された後に、現在は学区制が廃止されています。そのため、生徒・保護者・教育関連の従事者などがそれぞれの思惑がありますが、トップ校に人が流れる構図が生まれています。実際に、大阪府では私立高校の実質授業料無償化により中学生の多くは私立高校の専願に切り替えましたが、公立高校の上位層は相変わらず倍率はそれなりにあります。その中のトップ校である北野高校には優秀な中学生が受験しているのは当然に思えます。

そのため、北野高校の授業内容が素晴らしいかどうかは別としても、中学では各学校のトップ層であり、本気で受験勉強を経験した生徒が多数在籍しています。このポテンシャルの高さが進路実績につながっていくわけです。そのため、「北野高校の生徒＝中学時代のトップ層＝かなりの受験勉強量」となるため、「地頭が良い」などの一言で終わらせるのは間違いで、本気の受験勉強を経験していることが重要です。それほどまでに勉強に時間を費やしてきた生徒達です。

しかし、北野高校に進学する生徒は中学時代は学年でもトップクラスの生徒が多かった。そのため、周りの人たちは勝手に北野高校に行けば難関大学に合格できると決めつけます。実際に、難関国公立大学などの合格者数は多いのですが絶対的ではありません。

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大学受験は甘くない証拠

北野高校であれば難関国公立大学に進学する可能性が高いですが、誰もが可能とは言いません。下図は高校のHPからまとめたものなので正確な数値は高校HPを参考にしてください。

	国公立大学 （現役）	私立大学 （現役）	現役合計	国公立大学 （既卒）	私立大学 （既卒）	既卒者合計
令和７年	183	32	215	83	20	103
令和６年	167	16	183	110	31	141
令和５年	178	36	214	77	12	89

まず、国公立大学進学者が多いことがわかるように立派な進路実績と言えます。ただ世間のイメージとズレる点は現役合計進学者数（＊私立は全て網羅されていない？）と北野高校の定員数に大きなズレがある点です。募集定員320名に対して国公立大学・私立大学の進学者数が少ない点です。１つは進学後に一定数が脱落したかもしれませんが、既卒者の進学数が多い点から浪人生も多くいる点です。もちろん、浪人生が悪いわけではありません。医学部を目指していたが現役ではダメだった、難関国公立に合格したいという理由もあるので上位校で一定数がいるのは仕方がありません。ただ、世間が勝手に思い込んでいる点は北野高校に進学すれば難関国公立も現役で合格できると安易に考えている点です。実際には、学力が高い生徒が高校進学後も相応の努力をしないと難関国公立大学の合格が難しいことがわかります。ただ、公立高校では北野高校より進路実績が良い学校を大阪で探すのは困難なことから優秀な高校生が多いことは間違いありません。そして、進学後も勉強を頑張っている生徒がかなりの高い割合で存在している点も間違いないでしょう。ただし、大学受験はシビアな面もあります。

まとめ

難関高校に進学する力を持った生徒の学力が高いことは間違いありません。また、学力があり、それなりに努力してきたからこそ浪人しても頑張る力はあります（＊その力があるから浪人を選択する生徒も多いのでしょう）。そのため、周りが難関高校に進学すれば大丈夫と考えすぎなだけかもしれません。目指している大学が求められる学力が高いが、相当数は合格する力があるので安心してしまうのでしょう。