
2032年までに大学生に占める理系の割合を35%から50%まで引き上げようとしていますが現実的に難しいかもしれません。難しいというよりは、理系っぽい大学生を増やさないと達成できません。では、なぜ、理系が増えないかの原因を考えてみましょう。
小学校の子ども達が計算速度が遅くなっている気がします。足し算や引き算、掛け算にしても解き方がわかっている割に時間がかかり間違いも多い。特に筆算になれば明らかに計算速度が遅くなっています。例えば、「12×6」と「125×6」で計算速度が明らかに遅くなっています。もちろん、桁が増えれば手間がかかることはわかりますが、その手間以上に時間がかかっています。
結局は、ドリル学習など計算問題を解いている量が圧倒的に不足している気がします。そのため、計算ができないのではなく、時間がかかっている子どもが増えています。この原因には小学校のカリキュラム、宿題をしない(減らしている)、授業が成立していない等の問題があるかもしれません。どちらにせよ、理系の学生を増やしたいなら基礎となり計算問題が出来ない限りは話になりません。そもそも、計算速度が遅いと問題を解く速度が遅くなり時間がかかります。そのため、数学に興味を持つ前に面白さがなくなります。
そのため、理系の学生を増やすならば小学生の間に計算問題を徹底的に取り組む授業に変えるべきです。
学力上位層でなければ、高校数学の授業を聞いていて理解できる生徒は少ないのではないでしょうか?例えば、参考書の解説を読んでいると平方完成が当たり前の様に式に組み込まれています。これは、わかっている人間が見れば問題がないのでしょうが、多くの高校生は「?」のままわからなくなります。そのため、数学に苦手意識を持つようになります。
数学が苦手な高校生などを見ていると圧倒的に繰り返しの量が少ないことが原因にあります。それにも関わらずに、公式を覚えただけでは太刀打ちできない問題が増えていくため中途半端な状況になります。といっても、解説を読んでも理解できない。なぜ、この様な式になるかわからないと泥沼化していきます。
実際に、国公立大学や理系に進学する生徒が少ない高校であっても明らかに生徒の理解度を無視したレベルの授業が行われています。そのため、テストの平均点が40点前後になっても平気に考えている先生も多くいるでしょう。それなら、基礎を徹底的にすれば良いのですが生徒の学力に合っていない問題をひたすら解かせて潰している気がします。
理系の希望者が少ないと言いますが、感覚的に定期試験で中学時代に400点以上の生徒でなければ本当の理系に進学できないのではないでしょうか?文系であれば基礎学力が低くても進学先がありますが、理系はある程度の学力がないと進学先がありません(*なんちゃって理系もありますが)。そのため、中学時代に400点未満の生徒は文系と考え、400点以上であっても文系と理系に半分分かれると考えるなら、現行の理系進学割合は決して低くはないのではないでしょうか?
では、その中で理系を増やすなら、①「なんちゃって理系を増やす」ことで可能。心理学や経済が文系として数学ができない生徒が進学していますが、同じように理系もなんちゃって理系を増やせば可能でしょう。もちろん、そこに価値があるかどうかはわかりませんが…。②「学費を文系並みにする」ことで志願者が増える。理系は大学院までセットで考えると、かなりの費用がかかります。そのため、学費が高いから諦めるケースも多いのではないでしょうか。③「文系を理系並みに勉強させる」ことで安易な文系選択を阻止する。もし、とりあえず大学に行くことを選択している高校生がいた場合に理系に進学することは勧めません。大学で遊びたいと考えている高校生も同様です。また、難関私大であれば内部進学生も理系は避けた方が良い場合があります。このように、単純に文系は学問を学ぶという意識は薄いですが大学生活を楽しめる印象があります。一方で、理系は学問を学びたいなら充実していますが、勉強量が多いことが嫌かもしれません。④「数学を必須にする」。そもそも、学力試験を減らす方向ですが、むしろ数学を入試科目の必須にすれば良いだけです(文系)。
結果として、理系を増やすことを目標にするより理系に進学するメリットや経済的負担を解消してあげる方が良いでしょう。