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『闇の子供たち』リアリティがある恐ろしい社会の闇を描いた小説

人身売買(臓器売買)・性的搾取などを描いた問題提起作

『闇の子供たち』基本情報

作 者梁石日
出版社幻冬舎
ページ数414ページ

『闇の子供たち』あらすじ

タイに駐留していた日本の新聞記者である南部浩行を主人公としてタイ社会の闇を描く(あくまでフィクション)。タイ北部の貧しい山岳地帯の村からヤイルーンは8歳の時に親に売られた。そして、売春宿に売られて世界中の富豪により性的玩具となる。そしてエイズを患いゴミ袋に入れられて捨てられた。そして、妹のセンラーも8歳になり売春宿に売られることになる。

社会の闇が気持ちを重たくするが読んでおくべき物語

問題提起をしている作品でもあり、最初から最後まで読んで楽しい気持ちになることはない。それどころか、非常に重たい気持ちになる。フィクションではあるが現実社会でおきている内容だとして1度は読んでおく必要がある作品である。

問題提起作であるため賛否分かれる内容であるし、本作ではタイを舞台にしているが貧困国では現実問題として考えなくてはいけない問題かもしれない。

物語は違法臓器移植で、タイの子供が「生きたまま殺される」という特報をつかみ違法の臓器移植をしているという情報を確かめていく物語である。ただ、その過程で子ども達が売春宿に売られている現実を知ることになる。売春宿で子供たちは、殴る蹴る、タバコを押し付けられる、という暴力が描かれており気持ち良いものではない。そして、ヤイルーンはエイズに感染したことでゴミ袋に入れて捨てられたが、はいつくばって故郷に戻っても誰にも歓迎されない悲しみがある。

物語全般に真実を知れば知るほど南部浩行の苦しみがわかるように、事実が時に想像より遥かに重たいこともある。ただ、この事実から目を背けてはいけない問題でもある。

国際社会に興味がある人は呼んで欲しい作品

外国に興味を持っている人は光の部分しか見ていないこともある。世界には影の部分があることも知っておくべき問題である。本作ほど酷い内容(臓器移植のため子どもを殺して臓器売買している)でないが、それに近いことが現実社会に起きていること知っておこう。

映画版では財団法人日本ユニセフ協会、コードプロジェクト推進協議会が推薦しているように社会の闇を知るためには必要な知識である。確かに、海外では1人で夜に出歩かないなど日本ほど安心安全な社会は少ない。そして、貧困地域の残酷さは中々知っている様で知らないことが多い。

そのため、国際社会に興味がある人・大学生は1度は呼んで欲しい作品である。影の部分を知るからこそ、世の中を深く知ることもできる。差別とは何か、貧困とは何か、虐待とは何かなど考えさせられる。考えさせられる作品であるので誰もが読みたいと思う作品ではないかもしれないが、ある意味で良作の小説である。

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